原文入力:2012/01/18 19:30(1906字)
←チョン・ソック論説委員室長
財閥改革が再び話題に浮上した。 新たにスタートした民主統合党指導部は財閥改革を経済民主化の核心課題として強く打ち出す態勢だ。 条件はいつにもまして良い。 ‘1対99’社会が象徴するように絶対多数の暮らしが疲弊する中で、財閥は逆に好況を享受している。 これに対し公憤を感じる多くの国民の支援をテコにして財閥改革を貫徹できる絶好の機会だ。
簡単なことではないだろう。 この間、財閥改革が多く議論されたが現実はその反対に流れてきた。 財閥総師の支配力はより一層強化され、財閥への経済力集中度はむしろ深化した。 口でだけ騒がしかったところで、この間の財閥改革は結果的には全て失敗したわけだ。
外国為替危機を踏み台とみなして最も強力に財閥改革を推進した金大中政府も同じだった。 金大中政府ほどに総合的で体系的なプログラムを持って財閥改革を推進した政府はなかった。 盧武鉉政府は初期から財閥改革から事実上手を離したし、李明博政府では改革ではなくむしろ改悪がなされた。
金大中政府時期の財閥改革は、財務構造改善、変則相続遮断など‘5+3原則’により推進された。 だが、結果的には失敗した。 失敗したと見る理由は、財閥が金大中政府を経て支配構造はほとんど改善されずに財務的にはより一層堅実になり、強力な財閥として新たに出発したためだ。 金大中政府による財閥改革の最大受恵者は逆説的にも財閥それ自体であった。
なぜそうなったのだろうか。 財閥改革の目標を間違って設定したためだ。 当時、金大中大統領は財閥改革の目標を‘財閥の支配構造を正常化し、財閥企業らの競争力を高める’こととした。 財閥‘改革’とは結局、財閥の成長を遮る障害物と弱点を改善することによって、より一層堅実な財閥にするという言葉と同義語になってしまった。
推進方式も非常に‘紳士的’だった。 金大中政府は市場経済原則をとりわけ強調した。 政府は原則だけを作った後、財閥が自律的にこの原則に従い構造調整をして、政府は財閥が正しくするかを徹底的に監督だけするという方針だった。 百回正しい方式だと言いながら、そのような原則を守る意思は全くなかった財閥は、金大統領のこういう‘弱点’を最大限に利用して顔色を伺いながら抵抗し、適当に聞き入れながら自分たちの内実は几帳面に整えた。
金大中政府の財閥改革失敗から得られる教訓は2つだ。 1つは財閥改革の目標を明確に徹底しなければならないということで、他の1つは通常の方式では財閥改革を成し遂げることはできないということだ。
財閥改革が今のように帝王的な総帥支配体制を打破し、過度な独占と不公正取り引きを阻み、両極化を解消しようとすることならば、それは窮極的に現行財閥体制を解体しなければならない。 出資総額制限制の復活など、いくつかの規制装置を新しく導入しても財閥の根本的な弊害は直らない。 さらに‘改革’という言葉に縛られて適当な水準で妥協しようとすれば、財閥の耐性を育てるだけでなく、たとえ成功したとしてもそれは財閥をより一層競争力のある、一層進化した財閥にする結果につながる公算が大きい。
推進方式も過去とは違い果敢に行う必要がある。現在の財閥の形態は市場経済という言葉が面目を失うほどに貪欲で賎民的だ。 そのような怪物を解体するのに、市場経済原則だけを強調していれば、その限界があまりにも明確だ。 政府が過度な介入をすることになれば財閥は反市場的だとして抵抗し、一方では‘アカ経済’にしようということかと、あらゆる是非を論じるだろう。 このような非難と抵抗が恐ろしくて縮こまる場合、その結果は言うまでもない。
財閥改革が成功するには政界の強力な意志が必要なことは言うまでもない。 この間、財閥改革を行うとほのめかし、うやむやになった例が少なくなかった。 その裏面には政界と官僚、財閥間の癒着関係が作用したことを否認できない。 財閥がなければ国が滅びるかのように財閥を保護する経済官僚、財閥からお金を引き出してこそ食いつなぐ政界、金の力で政界と官僚を掌握している財閥、これらを絡み合わせているねばっこい連結輪を政界が先に断ち切ることができなければ財閥改革ははるかに遠い。
チョン・ソック論説委員室長 twin86@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/515307.html 訳J.S