原文入力:2011/12/23 11:34(2683字)
サムスンの総売上は北韓の年間総生産の10倍を越えるが安定
専門家たちはなぜ北韓支配構造の不安定性を煽り立てるのか
←イ・ジェヨン サムスン電子社長と金正恩北韓党中央軍事委員会副委員長。 ハンギョレ資料写真
サムスンと現代車グループはイ・ジェヨン、チョン・ウィソンで3代世襲がほとんど完成された状態だ。
いつ彼らの父親が死んでも代々引き継いだ一族支配構造には変化が発生し難く、また株価が下がることもないだろう。
数百のグループを子々孫々支配できる法律的持分相続は既に終えられ、株主と組織全般、さらには労働組合までも実質的支配力が強固だ。
これら一族皆が1945年直後の状況から生まれた権力であるので北韓での権力開始と同じだ。
数多くの反社会的搾取収奪と不法経営是非論難にもかかわらず、韓国財閥の一族支配構造世襲は強固だ。
不法と不公正を監視し矯正に乗り出さなければならない政府と言論はむしろほとんどすべての政策と報道、そしてドラマを通じて彼らを美化し支援し羨望する視線で溢れている。 歴史と理性の視角からはまったく信じられない正常ではない生物が韓国社会で最高の競争力を持つ生命体として日々姻戚八親等まで領域を広げ猛威を振るっている。
米国、ヨーロッパにもスーパー富者がいて、また彼らに対する大衆の羨望があるが、韓国のように根の深い不法と反社会的伝統を持って常に検察の門を出入りしながらもビクともせずに生きていくことはかなり難しい。
北韓 金正恩一家の存在様式もこれと非常に似ている。
韓国財閥が上層部に行くほど富が巨大で、労働者と中小企業など下へ降りて行くほど社会収奪的特性を有しているのと同じように、北韓もまた、程度の差こそあれ系統の秩序には違いがない。
なぜ唯一、世界史的に韓半島、南北韓にだけこのように比類なき宗教的支配構造が頑固なのだろうか?
いろいろ理由はあるが、韓国国民の思考と韓国社会の文化的大勢に敷かれている、人間各自の尊厳性と社会の多種多様な権力に対する主体意識の貧困が最も大きな理由ではないだろうかと思う。
過去の盧派、黄派、沈派そして最近のナコムス熱風とアン・チョルス現象にあらわれる韓国の人々の権力に対する態度や好みは過度に宗教的盲信徒に近い。
その珍しくもない労働組合や学校運営委員会、または全国各地のアパート管理委員会を見ても、その本来の趣旨とは違い選出された権力はほとんど無限不正腐敗権力に成長しているのに反し、各個人の日常的参加と関心は不十分この上ない。
制度は堅実だが進行と結果はみじめだ。
全般的に自ら民主市民としての個人的権力意志ないしは主体的権利意識が弱く、いつでも時々集まり通って英雄を探したり、またそれに盲従する傾向がひどく強い。
すべての個人が、人間万事民主社会で人間が享受しなければならない尊厳性および権力または、権利行使の第1主体であり、そういう自己認識と近い社会的人物や権力代行は2次的主体だという認識が脆弱だ。
批判は強いが自ら何かするのには弱い。権利の確保には厳しいが権利の正常運営と進化には無関心と言えるほどだ。
これらすべての現象と属性が独裁の維持発展に多いに役に立ち薬となっている。
金正日が死に、金正恩が北韓の権力をにぎった。
韓国の朝中東とほとんどすべての言論は北韓体制の不安定とそれに伴う韓半島の不安定可能性を大きく扱っている。
しかし過去、三星(サムスン) イ・ビョンチョルが死んだ時も三星支配構造システムが専門経営者シン・ヒョンファクと皇太子イ・ゴンヒとで合作した体制があったし、SKチェ・ジョンヒョンが死んだ時もSK支配構造が専門経営者ソン・ギルスンと皇太子チェ・テウォンと組んだ体制があった。
それら財閥共和国に権力交替の兆しや挑戦勢力はなく、支配構造システムと法律的現実的権力は格別の問題もなく維持発展した。
そしてこれまで北韓に金正恩一家の支配構造に挑戦する勢力や現象または、これという欠陥が出てきたこともあまりない。
合わせて、韓国財閥の支配構造推移と様相を眺める上では韓国社会の変化と政治状況および国際経済状況を常に注意深く見回さなければならないのと同じく、北韓支配構造の変化を眺める上では重要な要因の中でも決定的な事項は中国と米国だ。
ところが中国は直ちに強力支援意思を表明し、米国もまた安定的権力委譲を望むと言った。
いったい何を持って韓国のいわゆる“北韓専門家”らは北韓支配構造の不安定性を煽り立てているのだろうか?
(経済学的に)正確な比較とは言えないが、三星(サムスン)グループの年間総売上(約300兆ウォン)は北韓の年間総生産の10倍を越え、サムスングループの年間総利益(約30兆)が北韓の年間総生産に相当する。財閥順位3位のSKはサムスンの半分程度だ。
韓国には北韓全体の少しどころか十倍の生命体支配構造があらゆる不法反社会的特性で汚されながらも社会各界各層の傲慢賛辞と羨望の中でよく成長している。
たとえ最も初歩的な暮らしの問題から抜け出せずにいる虚弱体質北韓政権とは言え、維持存続できない筈があろうか。
何に対する虚弱体質か?
それを問い詰めるなら、法と正義社会に対する排他性が日々極に達しているいわゆる“グローバルスタンダード”ともあまりに縁遠いサムスンおよび韓国財閥もまた、北韓のそれと大きく違わない。
サムスンの商品競争力ではなく、北韓住民の餓死直前状況でもない、この二大共和国の後進的で反社会的な支配構造こそが問題である。
2011年末、今 韓半島、南北韓を強固に支配している権力一族の支配構造が今一度大きな問題に浮上した。
この反社会的で非人間的な支配構造はどこから来て、またどのように克服されるのだろうか?
韓国では迫り来る二大選挙を通じてその試験を受けることになるだろうし、北韓もまた多様な形態の試験を受けざるをえない。
パク・ユンベ ソウルインベスト代表 naengsu@hanmail.net
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/511551.html 訳J.S