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[パク・ノジャ コラム] 革命の到来?

原文入力:2011/12/22 19:33(1786字)


  アラブ圏の大規模な民主化示威で始まり、ストライキを決行したカザフスタンの油田労働者の虐殺で幕を下ろす2011年に、新聞紙上に最も頻出した単語の一つは「革命」だった。私たちが最後に(未完の)革命の匂いを嗅いでから既に25年が経ったせいか、「革命」という言葉はかなり不正確に使われている。「革命」を定義するなら、これは上部構造(政治権力の構造)や土台(生産手段をめぐる所有関係)における本質的な変化を意味するものだ。このような意味では、たとえば今までエジプトで起こった変化はまだ革命に値するとはとても言い難い。ムバラクは退いたものの、軍部が相変らず権力を掌握し、外勢に密やかに励まされながら急進的なデモ隊を検挙し虐殺しているからだ。正確に言うと、ムバラクの退陣と部分的な民主化施行はエジプトにおける革命過程のほんの始まりにすぎないのだ。だが、今年の世界情勢からすれば、来年や再来年は、もしかすると真の意味の革命が本格化する年になるかもしれない。ここでいう革命とは、アメリカの覇権とヨーロッパ連合の新自由主義的な政策に対する抵抗とともに、資本主義の根幹に当たる大規模な生産手段の私有と利潤追求優先の経済体制に対する本質的な挑戦を意味する。

  今チュニジアやエジプトなど形式的な民主化がある程度進行したアラブの国々では、反米色では国内の運動圏の「自主派」に通じる穏健イスラム主義勢力とともに、次第に階級的な左派も力を付けつつある。エジプトの労働者たちは、最早その要求は最低賃金の制定や賃金引上げなどに止まらず、ムバラクの新自由主義的な政策の一環で民有化されたデパートや紡織工場などの主要経済施設の再国有化をも含んでいる。同様に、去る16~17日に70人以上と見られる犠牲者を出したカザフスタン西部のマンギスタウ地域ジャナオゼン市の油田労働者たちも賃金引上げだけでなく会社の再国有化を要求した結果、マフィア的な官僚資本家たちの利害関係のみを重視する権力者からカザフスタン歴史上初めての流血弾圧を受けたのだ。はるか向こうのチリでもアジェンデ政権時の1971年に国有化されてからピノチェトにより70%くらい私有化された銅工業の全般的な再国有化を要求して、鉱夫と学生たちが一緒に今秋力強い運動を開始した。世界体制の準周辺部という共通点を持つエジプト、カザフスタン、チリにおける労働運動の要求水準は、単なる経済闘争から生産手段や資源に対する所有形態の問題へと急速に高まっている。資本主義の総体的な危機は来年と再来年にさらに深まっていくだけに、このような傾向も強まっていくものと見られる。


  もちろん資本主義的な国家による国有化そのものは資本主義への挑戦をまだ意味していない。資本が議会政治やカザフスタンのような独裁権力を通じて国家を統制している限り、国有化は民衆より資本に遥かに有利に作用する可能性が高い。しかし、最近の鼓舞すべき傾向は、資本本位の国家権力に立ち向かって「街頭」の対抗権力が次第に成長していることだ。世界的な準周辺部のもう一つの地域である南欧の場合は、去年急進政党と組合たちが全国経済を麻痺させるほどの動員力を誇示した。先月のポルトガルのゼネストでは、総人口約1100万の国で約300万人の労働者が参加し一日間経済全体を完全に麻痺させてしまったのだ。まだ南欧の抵抗運動はゼネストのような一回きりの全国的な闘争に止まっているものの、金融資本のみのためのヨーロッパ連合の予算削減強要政策が一層深刻な社会的な波紋を呼び起こすにつれ、闘争の強度もゼネストよりさらに高まる可能性は大きい。


  資本主義が全世界的に深刻な挑戦に直面している現在、国内の進歩系はまだ「福祉国家」などの論議に止まっているだけだ。労働者たちの経営参加を排除し全社会の利益を無視する財閥による生産手段の所有が果たして正当であるかどうか、私たちも一度本格的に考えてみるべきではないか。


朴露子(ノルウェー・オスロ国立大教授 韓国学)


原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/511423.html 訳J.S