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[社説] ‘朴槿恵の私党化’で民心得られるか

ハンナラ党が、非常対策委員会体制に転換することを決めた。 朴槿恵議員は非常対策委員長として総選挙の公認をはじめとする党運営の全権を与えられた。 民心離反に直面して四分五裂を免れないハンナラ党の境遇においてはうなづけないわけではない。 朴槿恵・非常対策委体制の始まりと共に同党内部はとりあえずは安定して行くと予想される。

だが、党の体制整備の過程を国民の視点からながめると依然として憂慮される大きな課題が少なくない。 まず、一昨日の党議員総会の様子は民主政党の様相とは程遠かった。 2年7ヶ月ぶりに初めて議員総会に参加した朴議員の面前で同僚議員は顔が赤くなるような、ごますりを繰り返した。 親朴系のユン・サンヒョン議員は“朴前代表を尊敬して愛して信頼する”と話して同僚議員に面罵された。 封建時代に作男が女主人に頭を下げる姿と違わないという批判が出たのも無理はない。 すでにこのような状況なら、今後ハンナラ党で1人の権力者中心の私党化がどれくらい盛んになるか察してあまりある。

  大統領選挙と党権の分離を規定した党是を修正したのも同じだ。 この規定は朴議員が党代表を務めていた2005年の政治改革により導入したのだ。 党首の独裁的な体制をやめる趣旨によるものだったが、今回、党権を握った朴議員が大統領選に出るのに支障をきたさないように修正したというのだ。 ハンナラ党が危機に直面しているだけに一定期間非常体勢から避けられないのは事実だが、なおさらその副作用も十分に気をつけなければならない。 今のやり方では独裁の様相は一層深刻にならざるをえない。 多様な国民世論を代弁して反映するという政党ならではの機能も失われやすい。

  同党が刷新しようとする理由は何か。 党が李明博大統領の盲従者に転落して突き進み、世論の反発を招いたためではないのか。 非常体勢だとして特定のものが帝王的な権力を振り回すのは時代の流れにも合わない。 国民が政界に求めている変化が何なのかをよく鑑みる必要がある。 自由な疎通と脱権威主義に進む流れをないがしろにして権威主義に傾くのは正解ではない。

  非常事態に立ったハンナラ党が体制を整備して、せいぜい‘朴槿恵の私党’に終わるなら、これは変化を望む世論に逆行することに違いない。
原文入力:2011/12/16 19:13(1071字) 訳:T.W