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[パク・ノジャ コラム] 階級政党の使命

原文入力:2011/09/29 19:20(1762字)


←パク・ノジャ ノルウェー、オスロ国立大教授・韓国学


この頃、忙しく動く韓国進歩政治の状況を見るにつけ瞬間瞬間に悲喜が交差する。きわめて僅かな票差だったが、民主労働党の代議員が国民参与党との統合計画をついに否決させたことは明確に一大慶事であった。全く性向が異なり労働者など疎外された階層を代表することもせず、また代表することもできない国民参与党との政治工学的統合は民主労働党の‘進歩政党’としての資格を消滅させてしまうだろう。ところが、同時に民主労働党との統合問題を巡り進歩新党は深刻な分裂を体験しているようで、非常に切なく思わざるをえない。まだいかなる他党も代わりに引き受けることのできないその使命を全く果たせず、まともに実行し始めてもいないのに進歩新党の力量が分裂で減少してしまえば韓国進歩政治の歴史上一つの後退になるためだ。

進歩新党だけが果たせるその歴史的使命とは何か? 単純化すれば二種類と見る。 第一に、今まで‘国民’だけを知っていた韓国政界に‘階級’を導入し‘国民の政党’ではなく‘階級の政党’として機能することであり、第二は‘国民’の壁を越え‘国際的な階級的連帯’に乗り出すことだ。二つの使命は共に‘国民’という資本主義的近代性の最も抑圧的な概念を転覆し超越することと関連があるが、最初の使命は‘国民’を中で転覆することであり、二番目の使命は‘国民’を対外的に超越することだ。


一般ブルジョア政党らが‘国民皆のための成長’等を語るとすれば、階級政党は少数の搾取者などにはかなり不利になりうる‘多数のための公正な再分配’を語る。例えばマフィア顔負けの縁戚経営と不正、専横などで悪名高い私立大学らを順次公立化させることは多数の学生たちと教職員らには祝福になるだろうが、財団関係者やその財団と癒着した一部貴族化された専任教員らの権力と権威を剥奪するだろう。大企業の場合、10%に過ぎない実効法人税率を日本程(39.5%)ではなくとも少なくともドイツ程度(30~33%)に高め、これを通じて順次大学授業料を無償化させれば多数の大学生は大きく得をするだろうが、10億ウォン以上の株式など金融資産を保有する金持ち13万人は大きな損失を受けるだろう。授業料を用意できなくて学業をあきらめる大学生たちも、毎年配当性向を継続的に増やしている財閥大株主らもみな‘国民’ではあるが、階級政党は彼らに無意味な‘国民の団結’を説教せずに、後者に対する前者の闘争を先導するだろう。企業税率引き下げなどの方法で支配者が今まで貧乏人を相手に一貫して‘上からの階級闘争’を行っても、‘下からの階級闘争’に公開的に訴えることは反共主義症候群が強い国内政界ではまだかなり難しいことだ。階級政党以外には誰もできないことであろう。


韓国の富裕層が果たして韓国人だけを絞り取っているのか? 近い中国だけでも進出中の韓国企業が5万ヶ余りになる。大部分が低賃金労働力を目的とする労働集約的製造業であり、その慣習的な賃金未払い、残業強要、不当解雇などに対する中国労働者らの抵抗はすでにほとんど15年を超えて続いてきた。韓国資本主義の海外被害者たちと連帯し、将来は東アジア労働者全体の反資本主義的団結を担える国内政治勢力はやはり階級政党以外にないだろう。


ほとんど90%の労働者が組織されておらず、組織労働者さえもほとんどの場合には‘階級’より‘国民’、‘会社’、‘地域’に対する所属をさらに強く認識する風土では階級政党を作り出すことは難しい。しかし、階級政党を運営することがとても難しい土壌であるだけに、進歩新党と同じように唯一階級政党の役割を担う政党を大切に生かすことが必要だろう。民主労働党の多少妥協的で主流指向的な傾向の言いなりにならない程度に進歩新党が勢力を拡大することになれば、民主労働党との連合戦線を敷いても良いが、今は何より階級政党としての進歩新党の独自的存在が貴重なのだ。


ノルウェー、オスロ国立大教授・韓国学


原文: https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/498576.html 訳J.S