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コーネル大学事件、「ジェーン・ドウ」は同意していなかった【寄稿】

登録:2026-10-07 08:02 修正:2026-10-10 10:49
米国ニューヨーク州イサカにあるコーネル大学のキャンパスで5日、学内の男子学生サークルの会員らによる集団性的暴行事件に抗議する大規模集会が開かれている/ロイター・聯合ニュース

 米国コーネル大学での集団準強姦事件をめぐり、怒りの声が高まっている。なぜ女性が酒や薬物で酩酊しているとき、性暴力の標的にならなければならないのか。性暴力は共謀のうえ集団で行われたにもかかわらず、なぜ責任を取る者がいないのか。被害者がいかに無力だったのかを、どのようにどこまで証明しなければならないのか。この問いはいまも繰り返されている。

 被害者は2024年10月19日、飲酒状態で男子学生の社交サークル「カイ・ファイ(Chi Phi)」のハウスに移動した。男子学生たちは被害者に酒や薬物を勧め、予期せぬ性的行為を持ちかけた。酒や薬物が被害者の状態をさらに悪化させるなか、ハウスにいた複数の男性が被害者に近づいた。被害者はこのときの状況を「意思決定が不可能な状態」「100%強姦」「完全にまったく抵抗できない状態」だったと証言している。事件が起きた未明、サークルのスナップチャットには、被害者を性的対象として共有しているかのような会話が投稿された。その日以降、ある学生に集団で性的暴行を加えたとする会員の投稿も登場した。被害者は2024年11月、大学警察に通報した。加害者と名指しされた学生たちは、一部が退学や停学などの処分を受けたが、誰も刑事処罰を受けなかった。結局、被害者は学校を去った。その後、被害者は2026年、加害者7人と、社交サークル「カイ・ファイ」、コーネル大学を相手取り、民事訴訟を起こした。

 性暴力を「ありふれたこと」とみなし、被害者に原因と責任を転嫁し、それによって性暴力が繰り返される文化を「強姦文化」と呼ぶ。多くの人がこれに抵抗し、被害者と連帯している。オンラインでは「私がジェーン・ドウだ」(#IAmJaneDoe)キャンペーンが進行中だ。「ジェーン・ドウ」という仮名ではなく本名を明かせと被害者を攻撃する一部の政治インフルエンサーに対抗して始まった。5日には、20の学生団体が共同主催し、1000人以上が集まったデモ「生存者のための正義」がコーネル大学で行われた。ニュースで目にしたデモ参加者のプラカードには、次のような文言が書かれていた。「あと何人(の被害者が)いればいいのか」(How many more?)

 韓国では、酒や薬物に関連した性暴力は数え切れないほど多い。全国性暴力相談所協議会の2023年の調査によると、性暴力や性暴力未遂の相談のうち、約40%が酒に関連していた。薬物に関連した性暴力については、公式な集計すら困難だ。酒にひどく酔った状態で、被害者が75回以上も拒否の意思を示した事件があったが、加害者を処罰できず、刑事事件は終結した。被害者は2026年、憲法裁判所に裁判訴願を申し立てた。2017年、泥酔状態の女性を対象としたいわゆる「最もありふれた準強姦」事件では、6年後に最高裁が無罪を言い渡した。アルバイトをしていた居酒屋で、店主によって泥酔した状態で性暴力の被害に遭った女性は、被害直後に警察に通報したが、警察は加害者側が提出した防犯カメラの映像だけを見て、不送致とした。被害者は異議申立書を作成したものの、今年2月に自ら命を絶った。なぜ、自ら同意していなかった、同意できなかった被害者の状態や供述が、これほどまでに反映されないのか。

 コーネル大学の集団準強姦事件に社会的関心が集まるなか、再び捜査が開始された。米国ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は、警察と検察によるこの事件の初期捜査を厳しく批判し、1日、ニューヨーク州司法長官兼検事総長のレティシア・ジェイムズ氏を特別検察官に任命し、事件の捜査を担当させることにした。コーネル大学の学長は、この事件を「われわれの共同体に重くのしかかる問題」だと受け止め、今後の措置を約束した。

 いま重要なのは、「同意」という人間の尊厳に基づく重要な意思を形成したり、表明したり、実現したりできない状況を、被害者の立場からみつめることだ。コーネル大学があるニューヨーク州では現在、法改正が進められている。上院で60対0で可決され、下院の法制専門委員会で審議中だ。この改正法案は、被害者が自発的に酒や薬物を摂取したとしても性的同意能力を喪失したとみなし、加害者がその状態を知っていたか、あるいは合理的に知り得たはずの場合には、「同意を欠く性犯罪」と定めている。韓国の法律は、準強姦事件を扱う際、酒や薬物の摂取が自発的だったか強制的だったかを問わない。被害者の心神喪失について極めて高い程度を要求することで、被害者が「同意できない状態」にあったことは排除される。あと何人いればいいのか。その強姦をこれ以上幇助してはならない。

//ハンギョレ新聞社

キム・ヘジョン|韓国性暴力相談所所長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1281200.html韓国語原文入力:2026-10-06 19:40
訳M.S

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