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ホルムズ海峡と白黒ポテトチップス【特派員コラム】

登録:2026-06-08 06:53 修正:2026-06-08 09:19
「カルビーポテトチップス」のカラーパッケージ製品の下に白黒パッケージの製品が置かれている/AP・聯合ニュース

 「石油原料節約パッケージ」

 3日、日本のスーパーにこうした説明文とともに陳列されていた「カルビーポテトチップス」は、どこか奇妙な印象を与えた。パッケージを見るだけで食欲がわいてきた黄色いポテトチップスのイラストは影も形もなかった。塩味のポテトチップスの味に魅了された消費者たちが「ポテト坊や」と名付けたでこぼこした外見のジャガイモのキャラクターも、一緒に消えた。アルミニウムホイルのように白黒だけの光沢を放つパッケージからは、冷ややかささえ感じられた。

 製菓メーカーのカルビーは、日本のスナック市場で51%、ポテトチップス市場の72%のシェアを占める絶対強者だ。日本全体のジャガイモ生産量の約18%をカルビーが使用するという統計もある。同社は年間売上高が100億円を超える単一製品を7種類も保有しており、特に「ポテトチップス」はそのなかでも断トツのトップだ。1975年に「うすしお味」でデビューした後、1976年には塩気のある「のりしお」、1978年には「コンソメパンチ」が登場した。この3種はいずれも大ヒットとなり、「カルビー3大クラシック」と呼ばれる。

 この三銃士が最近新たに注目されたのは、米国・イスラエルとイランの戦争のためだ。日本ではホルムズ海峡の封鎖後、石油やナフサの原料の供給不足により、ゴミ袋、ビニールハウス用資材、弁当容器、医療用ゴム手袋の需給などに支障をきたしている。カルビーは石油が原材料であるインクの不足を理由に、今月からポテトチップスなどを白黒パッケージで出荷し、世間に衝撃を与えた。

 日本のスナック菓子界の伝説であり国民的お菓子として知られるこのポテトチップスを選ぶ際、迷うことなく、塩味は黄色、のり味は緑色、コンソメ味はクリーム色など、パッケージの色で決めればいい。しかし、これが突然不可能になったのだ。食品のパッケージは一般的に、消費者の商品選択に重要な役割を果たす。欧州連合(EU)傘下の「欧州イノベーション・技術機構(EIT)」が運営するウェブサイト「FoodUnfolded」は、「視覚的な色のシグナルが、食品の実際の味を圧倒しうる」とし、「ポップコーンを対象とした研究で、赤い皿に載せられた塩味のポップコーンはより甘く、白い皿ではより塩辛く感じられる」という研究結果を発表したことがある。「暖色である黄色系統の色は食欲を刺激し、寒色は食欲を抑制したり、不快感を与えたりする」という研究結果もある。

 白黒の服に着替えたカルビーポテトチップス三銃士は、イラン戦争の流れ弾に当たった被害者のように映っている。一方、日本政府はカルビー側に苦々しい視線を向けている。日本政府は、さまざまな指標をみると、石油関連の製品やナフサの供給は不足していないと何度も強調してきた。しかし、カルビーが国民的お菓子に白黒パッケージを導入したことで、政府の主張が嘘であるかのような印象を与えているというのだ。実際、日本メディアがカルビーの白黒パッケージをきっかけに、日本政府の中東情勢への対応を韓国と比べ、過度に消極的だと指摘する特集を放送したこともあった。このため、政府内からは「カルビーが戦略的にノイズマーケティングを行っている」「国民の不安をあおっている」という不満まで出ているという。

 カルビーは韓国とも特別な縁がある。カルビーとヘテ製菓の韓日合弁会社であるヘテカルビーが2014年に製造した製品が、韓国で空前の大ヒットとなった「ハニーバターチップス」だ。日本でもこの菓子を購入できるが、幸いなことに、現時点ではカラーパッケージを維持している。戦争が終われば、カルビーポテトチップス三銃士が元の服に着替え、ポテト坊やも戻ってくるだろうか。

//ハンギョレ新聞社

ホン・ソクジェ|東京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1262030.html韓国語原文入力:2026-06-05 07:14
訳M.S

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