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【独自】米人権団体が80年に作成した「光州報告書」が初公開…「戒厳軍が先に虐殺」

登録:2026-05-14 06:35 修正:2026-05-14 08:59
米国の人権団体「韓国の人権のための北米連盟」が1980年9月に米国で発行した「光州からの報告書」の表紙=チェ・ヨンジュ元5・18記念財団非常任研究員提供//ハンギョレ新聞社

 46年前、全斗煥(チョン・ドゥファン)新軍部による光州(クァンジュ)虐殺直後、責任の所在を明らかにし惨状を記録するとともに、「韓国の民衆が最終的に勝利するだろう」として独裁政権の没落を予見した米国の人権団体の報告書が初めて公開された。

 ハンギョレは、「韓国人権のための北米連盟」(北米連盟)が5・18光州民主化運動直後の1980年9月に作成した「光州からの報告書」(Reports From Kwangju)の内容を、元5・18記念財団のチェ・ヨンジュ非常任研究員を通じて入手した。23ページに及ぶ「光州報告書」は、序文、「韓国記者の記録」、証言録「引き裂かれ、ぼろぼろになった旗」、様々な光州報告書の抜粋、朝鮮大学の学生による声明、事件年表、犠牲者の写真を通じて、抗争の過程と戒厳軍の蛮行を記録したもの。

■銃弾を受けたユン・サンウォンのポケットには多くの外国記者の名刺が

 1980年5月14〜27日の状況を収めた「韓国記者の記録」は、当時光州にいた匿名の韓国人記者の目撃談。同記者は、5月21日に軍人が発砲すると、市民たちは光州近郊の和順(ファスン)で銃を手に入れ、対抗して戦い始めたと明らかにした。その上で「(市民が先に武装したという話は)ソウル地域の新聞によって歪曲された事実の一つ」だとし、「学生たちが銃を手にしたのは、戒厳軍が先に始めた虐殺に対する対応だったことは明らかだ」と強調した。

富山妙子の版画「光州のピエタ」が挿絵として掲載された「光州からの報告書」の目次=チェ・ヨンジュ元5・18記念財団非常任研究員提供//ハンギョレ新聞社

 旧全羅南道庁で最後まで戦い、その生涯を閉じた市民軍の報道担当であるユン・サンウォンさんとの面会内容も収録されている。同記者は、道庁鎮圧の前日の5月26日、外国メディア向けの記者会見を行ったユン・サンウォンさんに会い、「韓国人記者は政府の許可が下りず、事実を報道できなかった」という不満を打ち明けたという。彼は翌日、戒厳軍の銃弾に倒れたユン・サンウォンさんのシャツのポケットに、多くの外国人記者の名刺が入っているのを見て、非常に複雑な心境だったと語った。

■光州市民の訴えにも、米国務省は仲裁を拒否

 「引き裂かれ、ぼろぼろになった旗」と様々な報告書の抜粋は、市民や光州に滞在していた外国人たちの証言、日記などを収集してまとめたもの。負傷者のために長蛇の献血の列ができたことや食料の分かち合いなどを紹介し、市民たちが暴動扱いされたことを嘆く内容が盛り込まれている。報告書は年表の中で、虐殺を傍観した米国の責任も問いただしている。5月26日、光州市民が仲裁を訴えたが、米国務省が翌日に「大都市の完全な無秩序と混乱状態を無期限に放置することはできない」として、仲裁を拒否した事実を記録している。

 北米連盟のペギー・ビリングス議長は序文で、 「1980年5月の虐殺以降、光州は1890年代の東学農民運動、1919年の3・1独立運動、1960年の4・19革命と並び、韓国歴史の政治的語彙として定着した」とし、「韓国民衆が自らの運命を決める権利のために闘い続ける限り、光州で犠牲になった人々は永遠に記憶されるだろう」と述べた。さらに「光州の物語は終わっていない。野蛮な軍部は憎悪と不信を残し、これは遅かれ早かれ爆発するだろう」とし、「最終的に韓国の民衆が勝利し、光州で命を落とした人々を慰めることができる唯一の道である、法と民衆の自主的な参加による統治を取り戻すだろう」と見通した。

5・18民主化運動の際に米国の責任を追及するなど、1970~80年代の韓国の民主化のために尽力した故パリス・ハービー牧師=チェ・ヨンジュ元5・18記念財団非常任研究員//ハンギョレ新聞社

 2018年、米国ロサンゼルスのカリフォルニア大学(UCLA)東アジア図書館の「韓国民主化運動コレクション」でこの資料を発見したチェ元研究員は、5・18の真実を伝えるため尽力した北米連盟のパリス・ハービー牧師が先月死去したことを機に、報告書を公開した。チェ元研究員は「ハービー牧師は、人民革命党事件を暴露したジョージ・オグル牧師、ジェームズ・シノット神父と共に、1970~80年代の韓国民主化に貢献した外国人3人のうちの1人」だとしたうえで、「この報告書は米国議会などに送られ、米国の責任を問うた。当時、急遽作成されたため、死者数などは最近の調査結果とは異なるが、光州を世に知らしめようとした外国人の義人たちの努力があったという事実を記憶しておくべきだ」と語った。

キム・ヨンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/honam/1258385.html韓国語原文入力:2026-05-13 17:09
訳H.J

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