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韓国の地域危機の中の外国人、計算と支援【寄稿】

登録:2026-04-15 08:12 修正:2026-04-15 08:26
昨年7月23日、江原道江陵市の農村で、ベトナムの伝統的な「ノンラー」をかぶった外国人労働者がジャガイモを収穫している/聯合ニュース

 地方の小都市の朝は、職場へと向かう外国人労働者の足取りから始まる。大学街のカフェや講義室では留学生の不慣れな韓国語が聞こえ、路地裏では母親の手を握って通園する多文化家庭の子どもたちの姿を目にする。外国人はすでに地域の日常に入り込んでいる。

 この現実は統計でも確認できる。2025年の時点で外国人就業者は110万人、留学生は25万人を超える。いずれも史上最多だ。結婚に占める国際結婚の割合も10%前後で推移している。外国人労働者は労働力不足を補い、留学生は地域の大学の運営と財政を支えている。結婚移住女性とその子どもたちも、地域の若い世代を形成している。入ってきた経路や事情は異なるが、外国人が地域の空白を埋めてきたことは確かだ。

 外国人の流入は、当初から人材の空白を埋める手段として設計された。彼らに求められる機能と役割がまず定められ、それに必要な数値が決められた。地域消滅の危機を前にして、政策や社会は彼らを共に生きる主体ではなく、欠損を補う存在として扱っている。工場や農村で人手が足りなければ、ビザの枠をいくら拡大するかを検討し、大学が学齢人口の減少で危機に直面すれば、留学生をさらに何人受け入れるべきかを計算する、という風にだ。かつての農村の国際結婚も、男女比の不均衡や配偶者不足の問題を解決する手段のように扱われた。もちろん、消滅の危機にある地域社会を救うには人が必要だ。しかし、増加した外国人の数だけで地域社会が維持されるわけではない。

 外国人を労働力、大学の入学定員、結婚相手などの数合わせの手段としてのみ理解してはならない。彼らもまた住まいを探し、買い物をし、子を育て、病院に行き、隣人と関係を築きながら生きていく人々だ。数年滞在して去る人もいれば、生活の拠点を韓国に移して根を下ろす人もいる。期間や事情がどうであれ、彼らは今ここで人生を築いている。作家マックス・フリッシュの言うように、「私たちが呼び寄せたのは労働力ではなく、人間だった」。この言葉は留学生にも、結婚移住女性にも当てはまる。それぞれに人生がある人間であるという点では違いがないからだ。

 外国人も機能ではなく、人間として尊重されなければならない。産業現場に必要な人手として入ってきた外国人労働者であっても、契約できるのは労働だけだ。人間の尊厳までは取引できない。劣悪な寄宿舎や安全の死角地帯、社会的孤立といった問題は、彼らを人間ではなく、まず機能としてみることから生じている。外国人に対する人間的な尊重は、彼らが地域社会を共に守る主体となる土壌でもある。人間としてではなく機能としてのみ扱われたら、誰がその地に心を寄せるだろうか。差別されることなく隣人として受け入れられて初めて、地域に対する信頼も、共に生きる意志も育まれる。

 政策や社会の視線はそこになかなか届かない。ある意味、わざと目を背けているのかもしれない。人を呼び寄せることには大いに関心があるが、人をとどまらせるための条件作りは疎かにする。仕事はあっても住居は不安定で、在留は許されても生活は危うい。言語や文化の違いから生じる困難は個人の適応の問題とされ、教育・医療・ケアや行政サービスの壁はさほど重要でない不便とみなされる。何人入ってきたかは問うが、彼らが韓国でどれだけ耐えて生きていけるかはあまり問わない。

 外国人が地域にやって来て働くだけで去る存在、学んだだけで去る存在にとどまれば、その地域は人を受け入れたのではなく、機能を一時的に借りて使うだけの場所にすぎくなる。そうすることで数は増えたとしても、地域は生き残れない。韓国も、ドイツへ渡った鉱夫や看護師のように、そして見知らぬ米国の地で生活を築こうと努めた韓人たちのように、他国で働いて耐えながら生きなければならなかった時期があった。かの地で彼らが切に望んだのは、華やかな特典ではなく、ひとりの平凡な隣人として尊重されることだった。

 今、私たちは問いの方向性を転換しなければならない。外国人を何人増やし、何人減らすかという「計算」はやめ、彼らを地域社会の完全な構成員としていかに「支える」かを問うべきだ。必要なのは単なる流入ではなく定着であり、それは差別なき包摂の上でのみ実現できる。人を考えない数の論理だけでは、地域は守り抜けない。数を数えるのではなく人を支えることを考えはじめた時、初めて地域はあたたかい共同体として生き残れるだろう。

//ハンギョレ新聞社

キム・ジョンソク|東国大学社会学科教授、人口と社会協同研究所長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1254205.html韓国語原文入力:2026-04-14 18:51
訳D.K

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