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【社説】14人が亡くなった韓国の工場火災、なぜ惨事が繰り返されるのか

登録:2026-03-23 02:11 修正:2026-03-23 08:11
20日に大規模な火災が発生した大田大徳区の安全工業の工場/聯合ニュース

 今月20日、大田(テジョン)の自動車部品メーカーの工場で火災が発生し、14人が死亡、60人が負傷するという惨事が起きた。真夜中でもなく昼間に起きた火災で、どうしてこれほど多くの人命被害が出たのか。当惑するばかりだ。この工場は普段から油分を含んだ蒸気のせいで火災警報器の誤作動が頻発しており、蒸気を排出するために換気扇の設置を求める声も多くあがっていたという。また、火災に弱いサンドイッチパネルで建てられていたうえ、建物内部にはジムなどの違法に増築された施設があったため、従業員の避難が難しかったはずだとの指摘もある。今回も産業現場にまん延する慢性的な安全意識の欠如が、大規模な惨事を引き起こしたのだ。

 22日のハンギョレの取材を総合すると、大田の「安全工業」の経営陣は火災の危険性が非常に高い作業環境を放置していたうえ、火災に対する安全対策をおろそかにしていたことが明らかになった。作業の過程で切削油を使用していたため、工場内部には油を含んだ蒸気が充満していたにもかかわらず、換気設備が不足していたという。切削油だけでなく、天井などは油で汚れていたため、配管などを通じて火は瞬時に広がった。さらに、人命被害が集中したジムと休憩室は、違法に上に建て増しされたものだった。窓は1つだけで、避難路も十分に確保されていなかったため、昼休みにこの場所を利用していた従業員の多くが脱出できなかったとみられる。

 従業員に対する安全教育も形式的なものだったという。定期的に安全管理教育を受けたという文書には署名していたものの、実際に教育を受けたことはなく、安全装備は軍手と使い捨てマスクだけだったという。さらに、休憩室には消火器もなかったという。この工場にはナトリウムをはじめとする多くの危険物質があった。ナトリウム火災は水では消火できないため、消火器が必要不可欠だ。火災が起きたら一体どうするつもりだったのか。

 1953年に設立された安全工業は、現代自動車の主要な協力企業であり、売上高1351億ウォン(2024年)の強小企業だ。昨年は初めてハイブリッド車用の中空バルブの国産化に成功し、年間1000億ウォン以上を輸出した功績により、銀塔産業勲章を受章している。会社の拡大にふさわしく従業員の安全にも配慮していれば、このようなの惨事は防げたはずだ。李在明(イ・ジェミョン)大統領は「事故の原因経緯を徹底して究明するとともに、二度とこのような悲劇が起こらないよう、根本的な対策を講じる」と述べた。このようなあきれた人災は絶対に防がなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1250538.html韓国語原文入力:2026-03-22 18:40
訳D.K

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