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米、イランの神権体制の終焉を狙ったが…逆に強硬派に置き換わる可能性も

登録:2026-03-02 07:52 修正:2026-03-02 10:37
2024年11月、イランのテヘランでの学生たちとの対面イベントで手を振るハメネイ師/WANA・ロイター・聯合ニュース

 イランの最高指導者ハメネイ師の死がイランの神権政治体制の終焉(しゅうえん)につながるかは不透明だ。米国のトランプ大統領はイラン市民に政権転覆を促しているが、ハメネイ師の空白は強硬派が埋めるだろうとの見方も出ている。

 イランは47年間にわたってイスラム政権体制が堅固に維持されている神政国家だ。聖職者や革命防衛隊などのイスラム政権機関、体制と利害関係を共有する既得権層が強固な中、米国の支援を受けたとしても政権を覆すほどの勢力と指導者を持つ「野党」は存在しない。このような状況において、イランの権力最上層を除去するという米国の選択は、神政体制を揺るがすどころか、改めて似たような強硬派に置き換わる結果を招く可能性が高い、というのが米情報機関による見通しだ。

 最高指導者直属の軍事組織であり、政治・経済にも強い影響力を及ぼしてきた革命防衛隊が健在なことも重要だ。例えば、近隣のシリアのアサド政権が2024年に急速に崩壊した際、シリア軍は数年にわたる内戦で弱体化していた。一方、革命防衛隊は今年1月のイラン反政府デモで数千から多くて数万人の市民を殺害したにもかかわらず、内部分裂は起きていない。

 神政体制直前の王政体制の時代にシャー(国王)の後継者だったレザ・パーレビはイラン国内に支持勢力がほぼ存在しないため、代案となるのは難しい。CNNは、パーレビがテヘラン入りを狙ったとしても、革命防衛隊による暗殺を回避できないだろうと予測している。米国中央情報局(CIA)はここ2週間で作成した報告書で、ハメネイ師の死によって生じた空白状態において革命防衛隊出身の強硬派が実権を握る可能性があるとの見通しを示している。ロイターが報じた。

 ひとまずは現行憲法に則り、最高指導者に何かあった場合に権限を代行することになっている3人体制の暫定指導評議会が設置されたが、実際にイランを率いるのはアリ・ラリジャニ最高国家安全保障評議会(SNSC)事務局長になるとみられる。ラリジャニ氏は革命防衛隊の指揮官、国会議長などを歴任した人物で、反政府デモの流血鎮圧を推し進めてもいる。

 ハメネイ氏は自身の死に備えて、聖職者のみが就ける最高指導者の後継者候補を3人指名していたと伝えられる。この3人のうちの1人であるゴラームホセイン・モフセニー・エジェイー司法長官は、1月のデモ参加者に対する迅速な処刑を求めた強硬保守派だ。もう1人の候補ハッサン・ホメイニ師は穏健改革派として知られている。イスラエルの発表によると、最後の1人のアスガル・ヘジャジ秘書室長は空爆で死亡している。

 新政権が誕生するのか、それともハメネイ師が死去前に指名した後継者の1人に引き継がれるのかも不透明だ。イラン国内でもハメネイ師の死後、さまざまな反応が見られる。テヘラン、カラジ、イスファハンなどイラン各地では、ハメネイ師の死を喜び、街頭で歓声をあげる市民の姿が目撃されている。一方、親政府勢力もテヘランで哀悼集会をおこなっている。ソーシャルメディア分析企業フィルターラボのジョナサン・チューブナーCEOは、「外からの侵略に立ち向かって国家を中心に結束するという典型的な状況が観測されている」とし、「現時点では即時蜂起は期待できない」と述べた。

 CNNは、最悪の場合、「どの派閥も勝利できず、イランが分裂し、地域全体を不安定化させる崩壊へとつながる可能性がある」と懸念を示している。

キム・ジフン記者、チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/1247172.html韓国語原文入力:2026-03-01 22:00
訳D.K

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