在韓米軍が18日、戦闘機を中国の防空識別圏(CADIZ)に近づけて訓練を行ったことについて、アン・ギュベク国防部長官がザビエル・ブランソン在韓米軍司令官に電話で抗議した。今回の事態は、駐韓米軍が韓国と適切なコミュニケーションを取らずに、中国を刺激することが目に見えている「軍事挑発」に出たもので、一回限りの抗議で終わる問題ではない。韓米は2006年1月、駐韓米軍の「戦略的柔軟性」をめぐり、韓国がこれを尊重する代わりに、米国も「韓国国民の意志と関係なく北東アジア地域の紛争に介入することはないという立場を尊重する」と同意した。韓国政府はこの約束が守られるように、(韓米間にも)米日間のような「事前協議」制度を作るなど、制度的な安全装置の導入に最善を尽くさなければならない。
22日、韓国軍の情報筋によると、アン長官とチン・ヨンスン合同参謀議長は、韓国の西海(ソヘ)上で米国と中国の戦闘機が対峙する状況が発生したとの報告を受けた直後、それぞれブランソン司令官に電話をかけて抗議の意を伝えた。前日の18日、京畿道の烏山(オサン)基地から出撃した在韓米軍のF16戦闘機約10機が、韓国の防空識別圏(KADIZ)と中国の防空識別圏の間の地域まで進出したことを受け、中国側も戦闘機を緊急発進させた。この過程で米中がしばらく西海で対峙する危険な状況が生じた。
韓国の防空識別圏が設定されたのは、朝鮮戦争中の1951年3月22日だった。中国の介入で情勢が逆転したことを受け、中国空軍が保有するミグ(MIG)15などのソ連製戦闘機を警戒するために、米軍が線を引いたものだ。そのため、韓国の防空識別圏は北朝鮮領空の一部を含め、中国の山東半島のすぐ前まで広がっている。一方、中国の防空識別圏は自国の沿岸に沿っている。在韓米軍の戦闘機が韓中の防空識別圏の間で訓練を行ったということは、中国側に非常に近い空域まで進出したことを意味する。
在韓米軍の戦闘機が発進した烏山基地と北京の距離は、1000キロメートルにも満たない。西海の制海権を失ったために日清戦争で惨敗した「屈辱」を味わったと考える習近平中国国家主席は、この訓練を看過できない軍事的挑発として受け止めるに違いない。2013年11月の東シナ海と同様に、西海でも防空識別圏を拡大するなどの対応策が予想される。
米国が望む在韓米軍の戦略的柔軟性がこれほど乱暴なものであるなら、我々は決してこれを受け入れることはできない。我々も知らないうちに米中対立の真っ只中に引き込まれることがないよう、早急に米国と交渉に臨むべきだ。