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効果のみえないウォン安対策、韓国の通貨政策に「揺らぎ」…利上げの意見は一蹴

登録:2026-01-16 08:16 修正:2026-01-16 09:02
韓国銀行のイ・チャンヨン総裁が15日、ソウル中区の韓国銀行で記者説明会をおこなっている=共同取材団//ハンギョレ新聞社

 韓国銀行が15日に緩和的通貨政策基調の「中断」シグナルを発したのは、「追加利下げでウォン安がさらに進むだろう」という市場の期待心理を遮断するというメッセージだとみなせる。全方位的な市場介入と需給対策にもかかわらず効果の見えないウォン安傾向に、マクロ通貨政策という「鈍い刀」まで抜いた格好だ。

 韓国銀行の金融通貨委員会(金通委)はこの日、政策金利の凍結を宣言し、通貨政策の方向性を示す議決文から「利下げ」の文言を削除した。昨年第4四半期には通貨政策の方向性が「緩和基調」から「中立基調」に転じたが、今回の会議では「凍結長期化」でさらに一歩タカ派的(通貨緊縮寄り)なものに転じたわけだ。通常、利下げはウォン安と物価上昇の圧力として働く。

 為替の変動性に対する金通委の警戒感はさらに強まった。直前の金通委(昨年11月)では1人の委員が利下げを主張したが、今回の金利凍結決定は少数意見が出ず全員一致となった。今後の金利見通しもタカ派的なものへと一変した。金通委員(総裁を除く6人)の「今後3カ月以内の利下げの可能性(フォワード・ガイダンス)」は、5対1で凍結が絶対多数を占めた。直前は利下げと凍結が3対3で拮抗(きっこう)していた。利下げの可能性を残しておくべきだと主張した委員も、「金融安定変数を見て決めるべき」とする但し書きを付けている。ウォン安や住宅価格などの金融安定リスクがはるかに高まっている、というのが大多数の金通委員の判断だ。

 韓銀は今年初めの「ウォン安への揺り戻し」について、4分の3程度は円安や地政学的リスクなどの外部要因によるもので、残りの4分の1は国内要因(需給)だと分析している。為替レートは先月24日の外国為替当局の強力な口頭介入と需給対策以降、1ドル=1480ウォン台から1420ウォン台にまでウォン高が進んだが、新年に入って1ドル=1470ウォン台にまで戻している。

 韓銀のイ・チャンヨン総裁は記者説明会で、「先月の当局の安定化措置以降、国民年金の為替ヘッジ(リスク分散)の取引がなされ、海外投資も減った。企業も海外から外貨を持ってきた」として、「一方、個人投資家はドルが一定水準にまで下がったら大規模にドルを買う現象が繰り返され、海外への株式投資規模も昨年10~11月の水準に拡大している」と語った。韓国預託決済院の集計によると、国内の個人投資家の対米株式投資の買い越し額は、年頭から14日までの9取引日で22億4000万ドルとなっており、先月の規模(18億7000万ドル)をすでに上回っている。イ総裁はまた「ドル高になることを期待し、現物市場でドルを売らずに貸してばかりいるのが問題」だと語った。ドル保有心理で貸借市場ではドルが残り、現物取引市場で品薄現象が起きているということだ。

 ただし、ウォン安を抑えるために政策金利を引き上げるべきだという意見は一蹴した。イ総裁は「6カ月前までは金利を下げずに気を逸したと言っていたかと思えば、急にウォン安になると金利を上げないからこうなったと言う」として、「韓銀の金利政策は為替レートではなく物価を見て立てるもの」だと述べた。金利を為替レートへの対応の手段として用いることはできないという原則論を強調したのだ。

 今回の措置が利下げサイクルの「終了」を意味するのかは、評価が分かれる。概して年内は金利が凍結されるとの見通しが強いが、下半期に利下げ再開の可能性があるという意見も一部である。ハナ証券のパク・チュヌ研究員は「長期の凍結後、政策金利の方向性はファンダメンタルズに沿って決定されるだろう」とし、「下半期の成長率が期待より低ければ、利下げが再開されるだろう」との見通しを示した。

 金通委の決定で利下げへの期待感が薄れたことで、この日、ソウル債券市場で国庫債の金利は大幅に上昇(債券価格下落)。3年満期物は9.4bp(1bp=0.01ポイント、3.090%)、10年物は7.5bp(3.493%)上昇した。

キム・フェスン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1239965.html韓国語原文入力:2026-01-15 17:24
訳D.K

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