今月末、慶州(キョンジュ)で開かれる米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談が、習近平主席の11年ぶりの訪韓日程と形式にも影響を及ぼしている。
米国政府が発表したトランプ大統領のアジア歴訪日程などによると、トランプ大統領は29日に韓国に到着し、「日帰り」または2日間の日程をこなす可能性が高い。これに先立ちトランプ大統領は7日(現地時間)、ホワイトハウスの執務室で行われたカナダのマーク・カーニー首相との会談で、「私は習主席とも非常に良い関係を結んでいる」とし、「数週間以内に習主席に会う予定であり、韓国で会談する予定だ」と述べた。
外交筋の話によると、米国と中国の間で首脳会談の日程と議題をめぐる激しい神経戦が続いているという。両国間で会談日程と議題に対する具体的な合意がなされてから、韓米、韓中首脳会談も確定する状況だ。トランプ大統領の訪韓日程が確定すれば、習主席の訪韓と韓中首脳会談の日程もそれによって決まるものとみられる。最近の「新羅ホテルの予約取り消し」騒ぎも、駐韓中国大使館が10月末に貸館を打診したが、トランプ大統領との首脳会談が慶州で行われる可能性が高いとみて、正式な予約を見送ったことに伴うものだという。
習主席の訪韓日程について韓国外交部は「まだ何も決まっておらず、協議中」だと述べている。ただし、トランプ大統領が29日に慶州を訪問して米中首脳会談をするならば、習主席も29日頃に韓国に到着してトランプ大統領や李在明(イ・ジェミョン)大統領と首脳会談を行い、10月31日から11月1日まで開かれるAPEC首脳会議に出席した後、帰国する形になる可能性が高い。
これと関連して外交部は、チョ・ヒョン外交部長官が7日に中国の王毅外相との電話会談で、慶州APEC首脳会議を機に韓中関係の発展の新しい転機が作られるよう共に努力していくことにしたと明らかにした。APEC会議を機とした習主席の訪韓と韓中首脳会談の開催問題を、両国の外相が話し合ったという意味だ。電話会談では、習主席のAPEC首脳会議への出席を調整するため、王毅外相の訪韓問題も議題として取り上げられたという。
習主席が11年ぶりに訪韓し、韓中首脳会談が開かれれば、朝鮮半島の状況が重要な議題になるものとみられる。今回の外相会談でも王毅外相は域内の平和と安定に向けた中国側の取り組みを説明し、チョ長官は朝中関係が朝鮮半島の非核化と平和実現に貢献する方向に発展していくことを望んでいる考えを伝えるとともに、朝鮮半島問題について引き続き対話していくことを呼びかけた。中国で序列2位の李強首相が9~11日に訪朝し、北朝鮮労働党創建80周年の慶祝行事に出席して、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会う予定である中、朝鮮半島問題に対する中国の建設的な取り組みを重ねて要請したのだ。
9月3日の中国戦勝節80周年記念軍事パレードへの金正恩委員長の出席と、今回の李強首相の訪朝で、朝ロの密着により弱まったかのように見えた朝鮮半島情勢への中国の影響力は、急速に回復したものとみられている。