「外交舞台の花」といわれるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議が1カ月後に迫っている。2大国の米国と中国の競争が激化し、米国による関税で全世界の経済が動揺する中で行われる今回の首脳会議は、米国のドナルド・トランプ大統領、中国の習近平国家主席ら、主要国の首脳がほぼ出席するため、国際秩序の未来を左右する外交戦が繰り広げられる見通しだ。
韓国がAPEC首脳会議を開催するのは、2005年の釜山(プサン)以来20年ぶり。慶尚北道の慶州(キョンジュ)で来月31日から2日間にわたって開催される今回のAPEC首脳会議には、韓国、米国、中国、日本、オーストラリア、カナダはもちろん、香港や台湾など、21の「加盟メンバー」が参加する。「私たちが作っていく持続可能な明日:つながり、革新、繁栄」をテーマに開催される今回の首脳会議で、参加国は「人工知能(AI)協力」と「人口構造の変化への対応」を最重要議題として議論する予定となっている。
特に今回の会議では、第2次政権の発足以降のトランプ大統領と習国家主席の初対面となるだけに、各種の多国間会議はもちろん、米中首脳会談などの大型の2国間会談も相次いで行われる見通しだ。韓国政府も、今回の会談を機とする韓米、韓中首脳会談の開催に向けて調整にあたっている。
さらに、トランプ大統領の訪韓を機として朝米首脳会談が行われるかどうかにも関心が集まっている。トランプ大統領が年内に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会うことを望んでいると表明したのに続き、金委員長も「(トランプ大統領との)良い思い出」に言及したことで、両首脳の会談に対する期待が高まっている。