本文に移動

李大統領、トランプ大統領にアピールするよりも「米国内友軍の組織化」へ

登録:2025-09-26 06:44 修正:2025-09-26 08:07
李在明大統領が24日(現地時間)、米ニューヨークの国連本部で開かれた安全保障理事会の公開討議で、出席者の発言を聞いている/聯合ニュース

 国連総会に出席するために22日(現地時間)から米国ニューヨークを訪問中の李在明(イ・ジェミョン)大統領は、膠着状態に陥った韓米通商交渉の突破口を探すために、米国側の主務長官であるスコット・ベッセント財務長官と24日に会った。現地のパワーグループ内に友軍を作るため、米外交・安保分野のリーダーらを招待して夕食会も開いた。

 李大統領がベッセント長官に会ったのは、対米投資ファンドの優先課題である韓米通貨スワップ(ウォンを預けてドルを決まった為替レートで借りられる契約)を主務長官に「マンツーマン」で説得する狙いが最も大きかったという。もともと25日にニューヨーク証券取引所の投資サミットで一対一の面会が予定されていたが、ベッセント長官が出席できなくなったことを受け、1日繰り上げた。

 大統領室関係者は「イ・チャンヨン韓国銀行総裁、ク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官がすでにベッセント長官に会い、大規模な現金投資が韓国の外国為替市場に及ぼす混乱について十分説明したが、李大統領が別途に時間を作った」と述べた。キム・ヨンボム大統領室政策室長は「李大統領自らベッセント長官に(韓国の外国為替市場の状況などについて)説明した」とし、この面会が「交渉の重大な分水嶺」だったと述べた。「大統領の一対一の説得」という最後のカードを切ったことに対する期待感を示したのだ。

 出国前に米国の時事週刊誌「タイム」や英国の公共放送BBC、ロイター通信などのインタビューに応じたのも、訪米中に米国側の関係者に会う前に韓国政府の立場を広く知らせるための「事前世論戦」の側面が大きかった。このような試みが、今の韓米投資ファンド創設の方法には無理があると考える米国現地の合理的な声をまとめるのに一定の成果があったと、大統領室はみている。ニューヨーク到着初日、ヨン・キム米下院外務委東アジア太平洋小委員長(共和党)、ジーン・シャヒーン米上院外交委幹事(民主党)ら議員団と面会した李大統領は、「韓米間の関税交渉の過程で韓国の外国為替市場に不安定がもたらされる懸念があるが、最終的には双方が『商業的合理性』の保障されるかたちで解決策を見出すことができるだろう」とし、協力を求めた。

 李大統領が23日夕方にドナルド・トランプ米大統領が主催した首脳晩さん会に出席する代わりに、米国内の外交・安全保障分野のオピニオンリーダーたちを夕食会に招待して会ったのも、今回の訪米期間に李大統領が力を注いだ外交戦略を示している。李大統領主催の夕食会には、政治コンサルティンググループを率いてワシントン政界に影響力を行使するユーラシアグループのイアン・ブレマー会長や、外交政策専門誌「フォーリン・アフェアーズ」のダニエル・カーツ・フェラン編集長などが参席した。トランプ大統領の晩さん会に出席し「アピール」する代わりに、現地の世論の説得に注力したのだ。大統領室関係者は「トランプ大統領とは最近すでに首脳会談を行っており、慶州(キョンジュ)のアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議でまもなく会うことになるだろう」とし、「(トランプ大統領との)10秒余りの会話よりも、現地の有力者たちと時間を過ごす方が重要だと考えた」と説明した。

オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/1220785.html韓国語原文入力:2025-09-25 22:16
訳H.J

関連記事