李在明(イ・ジェミョン)大統領は海外メディアとのインタビューで「私たちは新しい世界秩序と米国中心のサプライチェーンの中で米国と共にするだろうが、中国を敵対視しないように中国との関係もうまく管理する必要がある」と述べた。韓米同盟を外交の軸に置き、中国との関係を管理していく李在明政権の「国益外交」方針を再確認したものと読み取れる。
李大統領は18日に公開された米時事週刊誌「タイム」のインタビューで、「韓国が両陣営(米中)対立の最前線になる恐れがある」とし、このように述べた。李大統領は「民主主義と市場経済という韓国の価値は韓米同盟に基盤を置いているが、韓国は中国と地理的に近く、歴史的関係、経済的なつながり、人的交流があるため、中国との関係を完全に断ち切ることはできない」とし、「韓国は適切なレベルで(中国との)関係を管理しなければならず、西側世界もこのような側面を理解してほしい」と述べた。李大統領は「中国は(戦勝節の行事に)私が出席することを望んでいたようだが、私はそれ以上尋ね(ず出席し)なかった」とも述べた。
これに先立ち、李大統領は就任後、多くの場で中国との関係をうまく管理していく政策方針を明らかにしてきた。李大統領は先月24日、米ワシントンに向かう専用機で開いた記者懇談会で、「大韓民国の国益に役立つなら親しくし、国益に役立たないなら遠ざける。外交に親中・嫌中は存在しない」と述べた。
タイム誌は、韓米首脳会談が先月に和気あいあいとした雰囲気の中で行われたが、3500億ドル(51兆円)規模の投資基金を巡り「全て現金でなければならないのか、投資損失は誰が抱え込むのかなどの問題」が残っていると報じた。李大統領は当時の対米投資問題などに対するドナルド・トランプ米大統領の過度な要求に対し、「私が同意したら弾劾されるだろうと伝え、米国交渉チームに合理的な代案を要請した」と述べた。
一方、李大統領は同日午後、ソウル龍山(ヨンサン)大統領室で『正義とは何か』の著者で知られるハーバード大学のマイケル・サンデル教授と面会した。李大統領は「最近サンデル教授のおっしゃった『平和の配当』のような概念も、大韓民国国民に非常に特別な印象を与えている」とし、「大韓民国も平和体制が構築されてすべての国民が平和の配当を得ることができればと思う」と語った。平和の配当とは、戦争や軍事的緊張をなくして国防費を節減し、この財源を福祉や成長に投資して得る経済的恩恵を意味する。
サンデル教授はこれに対し「朝鮮半島に平和体制が構築され、二極化が解消されれば、民主主義が成長するだろう」とし、「労働者とエリートの二極化問題を解決するためには、労働の尊厳性を認めることが重要だ」と語った。カン・ユジョン大統領室報道官によると、サンデル教授は2023年に出版された著書『民主政の不満-公共哲学を求めるアメリカ』に「韓国の民主主義にインスピレーションを受けて新しいチャプターを書いた」とも語ったという。