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イスラエルの遺産相が暴言「ガザに飢餓はない、われわれは怪物を殺す」

登録:2025-07-26 10:27 修正:2025-07-26 17:40
24日(現地時間)、31歳のパレスチナ人女性のヒダヤが栄養失調の症状を見せる18カ月の息子を抱いて、ガザ北部のガザ市の西側にあるシャティ難民キャンプのテントの中にいる=ガザシティ/AFP・聯合ニュース

 イスラエルの文化遺産相がラジオのインタビューを通じて「ガザ地区に飢餓は存在しない。しかし、我々が彼らを殺しているのは事実だ」と主張した。発言をめぐる非難が高まると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が自らエリヤフ遺産相が自分の政府を代弁するのではないとし、論議の拡散を防ぎに入った。

 CNNとイスラエルメディアの「タイムズ・オブ・イスラエル」によると、24日(現地時間)、アミハイ・エリヤフ遺産相は超正統派ユダヤ教(ハレーディー)基盤のラジオ局「コル・バラマ」でのインタビューで、「政府はガザ地区を破壊するために全力を尽くしている」とし、「ガザ地区に飢餓は存在しない」と言及した。続いて「我々が彼らを殺しているのは事実だ。我々は怪物を殺す。我々を脅かす者は殺す」と述べた。また「腹を空かせた子どもたちの姿を見せるたびに、その隣りにはちゃんとした食事をする太った男がいるが、彼らは食糧を配ることに全く問題はない」とし「食糧は彼らの手にかかっている。トラックが毎日入っていっている」とも語った。

 イスラエル人が飢えたガザの子どもたちの写真を見て憂慮すべきか尋ねる質問には「どの国も敵に食糧を提供することはない」と断言。「英国はナチス・ドイツに食糧を提供しなかったし、米国は日本に食糧を提供しなかった。ロシアは今、ウクライナに食糧を提供していない」とし「彼らの飢えを我々が解決しなければならないのか? 狂気の沙汰だ」と主張した。続けて「全世界が心配するように放っておけ」と述べた。また「ガザ地区全体にユダヤ人が住むことになるだろう」とし、ガザ占領を正当化した。

 ガザ地区の食糧難は悪化している。ガザ保健部は22日、90万人の子どもが飢えており、7万人がすでに栄養失調の症状を見せていると発表した。世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務総長も「ガザ地区封鎖がもたらした人為的な『大量飢餓』状況」とし、この状況を引き起こしたイスラエルを批判した。イスラエルは3月初めから国際救援団体の人道支援物資の搬入を阻止した。5月末になって米国主導のガザ人道主義財団(GHF)の配給網を単一窓口として開き、住民を統制している。そのようななかで、子どもや高齢者だけでなく住民全員が飢餓の状況にさらされている。5月末以降、ガザ地区で餓死した住民は113人。このうち、子どもが80人を超える。

 エリヤフ遺産相の発言後、ネタニヤフ首相は高まる批判の鎮静に乗り出した。同首相は25日午前0時過ぎ、Xの首相室公式アカウントを通じて英語で声明を発表し、「(エリヤフ遺産相は)私の率いる政府を代弁していない。戦争遂行を決定する安保内閣の一員ではない」と強調した。しかし、懲戒や処罰には触れなかった。

 イスラエルのヤイル・ラピド野党代表は、エリヤフ遺産相の発言について、「イスラエルが血と死を神聖視する長官で構成された過激派少数政府の指揮を受ける限り、テロとの戦争が正当だということを世界に認めさせることはできないだろう」とし、「イスラエルの兵士たちが戦い、死に、けがをするのは、民間人を皆殺しにするためではない」と批判した。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/1210039.html韓国語原文入力:2025-07-25 18:39
訳C.M

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