本文に移動
全体  > 経済

「AIの翼」つけたSKハイニックス、過去最大の営業利益

登録:2025-07-25 06:54 修正:2025-07-25 09:41
京畿道利川市のSKハイニックス本社/聯合ニュース

 SKハイニックスの実績が「人工知能(AI)」という翼をつけて飛翔した。サムスン電子の2倍に達する史上最大の四半期営業利益を達成し、競争の激化に対する市場の懸念にもかかわらず、さらに投資を増やし、AIメモリー半導体で1位の地位を固めるという戦略だ。

 SKハイニックスは24日、今年第2四半期(4〜6月)の暫定営業実績を発表した。連結財務諸表基準で第2四半期の営業利益は9兆2129億ウォン(約9850億円)で、昨年第2四半期に比べて68.5%急増した。これは国内の証券界隈が予想した営業利益推算額平均(9兆648億ウォン)を1千億ウォン(約106億円)以上上回るもので、会社設立以来最大の規模だ。

 ハイニックスの四半期の営業利益は、昨年第1四半期の2兆9000億ウォン(約3100億円)から始まり、第4四半期には8兆1000億ウォン(約8660億円)まで増えた。今年に入って第1四半期は7兆4000億ウォン(約7900憶円)にとどまったが、1四半期ぶりに9兆ウォン(約9620億円)を越えた。ライバル社のサムスン電子の半導体、スマートフォン、家電などを含む全体の営業利益を3四半期連続で上回った。

 第2四半期の売上高も前年同期に比べ35.4%増の22兆2320億ウォン(約2兆3700億円)を記録した。やはり史上最大規模だ。第2四半期の会社の営業利益率(売上高に対する営業利益の割合)は41%だった。

 過去最高の業績好調の立役者は断然、AIチップに搭載される高帯域幅メモリー(HBM)。ハイニックスは、グローバルAIチップ市場を事実上独占している米国のNVIDIAに、HBMの大半を供給している。

 ソン・ヒョンジョン社長はこの日の実績説明会で、「ビッグテック(巨大技術企業)の積極的なAIへの投資が続き、AIチップメモリーの需要増加が続き、関税など不確実性に備えようとする先制購入まで加わり、予想より友好的な環境をむかえた」と述べた。ハイニックスの全体売上で、HBMを含めたDRAMが占める割合は70%を超える。今年の生産量が早目に「完売」となったAI用高付加価値メモリーを中心に出荷量が跳ね上がり、実績好調を牽引したという意味だ。

 カギとなるのは、ハイニックスが現在の独走体制を維持できるかどうかだ。米マイクロンがハイニックスに続き、二番目に多くNDVIAに第5世代高帯域幅メモリー(HBM3E)12段製品を供給したのに続き、サムスン電子も第6世代(HBM4)製品の量産および納品を進めているためだ。最近、米国の投資銀行であるゴールドマンサックスも今後の市場競争の激化とHBMの価格下落を予想し、17日にハイニックスの株価が9%も急落した。

 しかし、ハイニックスのキム・ギテ副社長は同日、「HBMは急速に成長するAI市場で性能増加に決定的な影響を及ぼす主な製品」だとし、「その重要性を考えると、需要の成長性に対しては疑う余地がない」と述べた。一般メモリー製品とは異なり、顧客会社に合わせた供給と協力などが必要なHBM市場に最も先に進出した「先取り効果」を考えると、トップランナーの地位を守れるというのが会社側の話だ。

 これを受け、ハイニックスはHBMの生産設備を中心に、投資額も従来の計画より増やすことにした。現代車証券リサーチセンターのノ・グンチャン・センター長は「今後主力製品となるHBM12段(DRAM12個を積み上げたもの)製品の場合、半導体パッケージング工程の難易度が高くなり、収率(良品比率)の下落で供給量も制限され、価格下落幅は市場の懸念より少ないだろう」と語った。

パク・チョンオ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1209815.html韓国語原文入力:2025-07-24 19:22
訳H.J

関連記事