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「イ前行安部長官、尹前大統領の指示で報道機関の電気・水断絶に関し消防庁長に電話」

登録:2025-07-19 06:57 修正:2025-07-19 08:00
イ・サンミン前行政安全部長官が昨年12月5日午前、ソウル汝矣島の国会で開かれた行政安全委員会の全員会議で、戒厳当時の警察の対応に関する緊急懸案質疑に出席している=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 内乱事件を捜査するチョ・ウンソク特別検察官(特検)チームが、12・3非常戒厳宣言当時にイ・サンミン前行政安全部長官が報道機関の電気・水の供給断絶を指示した疑惑とに関して「尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領がイ前長官に明示的に指示し、これを履行するために消防庁長などに電話したと判断される」という趣旨の検察捜査報告書を確保したことが、17日に確認された。特検チームはイ前長官が消防庁長に報道機関の電気・水の供給断絶を明示的に指示したとみて、この日、イ前長官の家などを家宅捜索した。

 特検チームと非常戒厳事件を捜査した検察特別捜査本部(特捜本)によると、検察は2月11日の尹前大統領の憲法裁判所弾劾審判に証人として出席したイ前長官の証言を検証した捜査報告書にこのような内容を書いた。イ前長官は憲法裁で電気・水の供給断絶を指示したという疑惑に関し、「非常戒厳当時、大統領執務室で電気・水の供給断絶が書かれたメモを見たことはあるが、尹前大統領からそのように指示されたことはない」という趣旨で証言した。

 また、イ前長官は非常戒厳宣言直後、チョ・ジホ警察庁長とホ・ソクコン消防庁長に相次いで連絡した点についても、断電・断水指示疑惑との関連性を全面否定した。イ前長官は憲法裁で、「各種デモや衝突状況全般が気になって電話した」とし、「断電・断水が書かれたメモ内容を思い出し、心配になり、万が一の場合に備えて国民安全を最優先にしてほしいという趣旨で要請しており、断電・断水を指示したわけではない」と述べた。

 イ前長官は非常戒厳当日の午後11時34分頃にチョ・ジホ警察庁長に電話し、その3分後の午後11時37分頃、ホ・ソッコン消防庁長に電話をかけた。その後、ホ庁長はイ・ヨンパル消防庁次長に、イ次長はファン・ギソク・ソウル消防災害本部長に電話するなど、消防庁の指揮系統に従って連絡が行われた。

 検察は、消防庁関係者らの供述を踏まえ、イ前長官の証言が偽りだと判断した。ホ・ソッコン消防庁長は捜査機関の調査で「イ前長官が(戒厳当日)電話して『24時にハンギョレ、京郷新聞、MBC、JTBC、世論調査コッ(花)に警察を投入して封鎖し、電気・水の供給断絶への協力を要請されたら措置するように』と指示した」と一貫して陳述している。ホ庁長の電話を受けたイ・ヨンパル次長も「ホ庁長に『長官から電話があったのだが、消防庁で報道機関に対して電気・水の供給断絶ができるか』と聞かれた。イ前長官がホ庁長に電気と水の供給を止めてくれという指示をしたのだろうと思った」と述べた。イ次長から電話を受けたファン本部長もやはり「イ次長から電話がきて『布告令と関連して警察庁から協力要請がきたら協力してほしい』と繰り返し要請された」と陳述した。

 イ前長官の指示を順次に伝達された人々の当時の記憶からして、イ前長官の指示内容は「国民安全を考慮」したという本人の主張とは異なり、「電気・水断絶の履行または協力」の方がより事実に符合するというのが検察の判断だ。

 検察はまた、イ前長官が「報道機関の電気・水断絶が書かれたメモが大統領室のテーブルの上に置いてあったのを偶然見た」とした憲法裁での証言も事実ではないと推定した。検察は「(イ前長官は電気・水断絶の時間が)『24時』という具体的な時間、報道機関5カ所の名称、電気・水断絶の指示など、文書の内容を詳細に覚えていた状態であることから、大統領が見せたものとみなす方が常識と経験則に合致する」と判断した。

カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1208447.html韓国語原文入力:2025-07-1800:55
訳H.J

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