米国のドナルド・トランプ大統領は7日(現地時間)、「すべての韓国製品に来月1日から25%の相互関税を課す」という書簡を公開したのに続き、在韓米軍の防衛費分担金問題に直接言及し、本格的な「韓国への圧力」に乗り出した。韓米同盟を根幹としている韓国の「戦略的脆弱性」を積極的に活用し、関税と安全保障の両面から大幅な譲歩を引き出そうとする狙いだ。しかし、この脅しに屈服すれば、韓国経済の「心臓」である製造業は回復困難な打撃を受け、安全保障分野でも非合理的で苦痛を伴う負担を負い続けることになる。米国がもはやかつてのような「慈悲深い覇権国」ではなくなった以上、韓国も韓米同盟の現代的な意味を再考し、「戦略的自律性」を強化せざるをえなくなった。
トランプ大統領は8日、「われわれは韓国を再建し、駐留している。しかし、彼らはわれわれに駐留費用をほとんど支払っていない」として、「あなたたち(韓国人)は毎年100億ドルを支払わなければならない」と述べた。さらに、「われわれは韓国に(米軍)4万5000人(実際は2万8500人)を配置している」として、「これは彼らにとって途方もない経済的発展(に寄与するもの)であったし、われわれにとっては非常に大きな損失だった」と強調した。米国が在韓米軍を通じて韓国経済の発展に大きな寄与をしたので、それにふさわしい代価を支払うよう要求したのだ。また、韓国の主力輸出品である半導体などに言及して、「1年または1年半の期間中に(米国に)入ってこなければ」200%もの高率の品目別関税を課すと脅した。
この日は具体的な言及はなかったが、トランプ大統領は1期目のときから「在韓米軍撤収」を強く望んでいたことは、すでによく知られている話だ。今後の交渉過程でこのカードを切り、強い圧力をかけてくる可能性もある。
韓米の過去70年あまりを振り返ってみると、米国が提供してきた自由貿易秩序と堅固な同盟関係に後押しされ、韓国が現在のような繁栄を享受することになったと評価することはできる。そのような意味で、米国との友好的な関係は、今でも韓国にとって死活的に重要だ。しかし、トランプ大統領は、同盟国と互いにウィンウィンとなる合理的な解決方法を探そうと努力する代わりに、自分たちの利益だけを掲げ、“犠牲”を強要している。米国との円満な合意のために粘り強く努力しながらも、同時に“同盟の未来”について真剣に考えることも始めなければならないときだ。その都度の場当たり的な対応だけでは、多極化に進むこの険しい時代を乗り越えることはできない。