内乱事件を捜査するチョ・ウンソク特別検察官チームが尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の拘束令状を請求している中、法曹界出身の与党議員たちが「拘束令状は発行されるだろう」との見通しを示した。
元検事のイ・ゴンテ議員(共に民主党)は7日、ユーチューブチャンネル「キム・オジュンの謙遜は難しい ニュース工場」に出演し、裁判所による尹前大統領の拘束令状発行の可能性は「100%だと思う」と述べた。同じく元検事である同党のヤン・ブナム議員も同じ動画で、「この令状が発行されなかったら話にならない」と主張した。特検チームは6日、特殊公務執行妨害▽大統領警護処法上の職権乱用教唆▽虚偽公文書作成▽職権乱用、などの疑いで尹前大統領の拘束令状を請求している。
両議院が拘束令状の発行を確信する背景には、拘束令状請求書に記されている犯罪事実と証拠隠滅の関連性の強さがある。尹前大統領は12・3非常戒厳の4日後に戒厳に動員された軍司令官の盗聴防止機能付き電話の通話内訳の削除を警護処に指示した疑い、事後戒厳宣布文の作成に関与した疑いなどが持たれているが、このような犯罪事実そのものがまさに証拠隠滅行為に当たる、というのが2人の主張だ。証拠隠滅の可能性は刑事訴訟法上の主な拘束理由の一つだ。
イ議員は「証拠隠滅が懸念されることが犯罪事実で立証されてしまったため、令状発行の可能性は非常に高い」と説明した。元検事で同じ動画に出演した民主党のキム・ギピョ議員も「普通は(拘束令状請求書に)犯罪事実を書いたうえで証拠隠滅の懸念を補うのだが、犯罪事実そのものが証拠隠滅の懸念」だと補足した。
実際に特検チームは拘束令状請求書に、尹前大統領側が重要参考人を懐柔したり圧力を加えたりする可能性が高いと記したという。SBSの6日の単独報道によると、特検チームは、尹前大統領の弁護人がカン・ウィグ前大統領秘書室長の特検による事情聴取にも立ち会って尹前大統領に有利になるようにカン前室長の供述を誘導したり、検事の質問を遮ったりしたと拘束令状請求書に明記しているという。
また、キム・ソンフン前警護処次長も尹前大統領側の複数の弁護人の立ち会いの下で警察の取り調べを受けたが、彼らが取り調べから外れると、尹容疑者の犯行について供述し始めた。このような内容も請求書に記されているという。
ヤン議員は「キム次長は(尹前大統領側の)弁護士が出て行ったから、安心して尹錫悦の指示事項を話したということではないか」とし、「逆に解釈すれば(尹前大統領を)保釈すると供述に圧力をかけたり懐柔したりする可能性があるということだ。逃げ場はないように思われる」と述べた。
尹前大統領が拘束されれば、現職大統領時代に1度、前大統領時代に1度の計2度拘束されるという、初の記録となる。尹前大統領は今年1月、現職大統領時代に内乱首謀の疑いで拘束されたが、約2カ月後に釈放されている。ソウル中央地裁刑事25部(チ・グィヨン裁判長)が拘束期間を日付単位で計算する従来の計算法ではなく、時間単位の計算法を用い、拘束期間の満了後に起訴されたと判断したためだ。裁判所が尹前大統領の拘束取り消しを決め、検察も即時抗告を放棄したため、尹前大統領は3月8日に釈放された。尹前大統領は釈放後、自宅近くの商店街や飲食店、漢江(ハンガン)公園などを歩き回る姿が何度も捉えられ、世論の怒りを買ってもいる。
与党の代表候補たちは「尹錫悦拘束」を主張しつつ批判を強めている。民主党のパク・チャンデ議員は6日のフェイスブックへの投稿で「二度と尹錫悦が監獄の外に出てくることがあってはならない。そもそも拘束取り消しそのものが誤り」だとして、「内乱首魁(しゅかい)が半ズボン姿で図々しくも街を散歩しているのに、どうして内乱終息が論じられようか」と述べた。民主党のチョン・チョンネ議員も同日、フェイスブックへの投稿で「今日の罪を罰しなければ明日の犯罪に勇気を与えてしまう」とし、「尹錫悦-キム・ゴンヒの拘束で司法正義を正さなければならない」と述べた。
祖国革新党のキム・ソンミン党代表権限代行も6日のフェイスブックへの投稿で、「国憲を乱し、国民を危険に陥れた盗賊のような者が、半ズボンをはいて商店街をぶらついている。正常でもなく正義でもない」として、「尹錫悦は拘束こそふさわしい」と記した。