「関税戦争」を繰り広げる米国の今年1~4月の輸入で、上位10カ国のうち韓国製品の減少率が最も大きいことが分かった。こうした中、米国が相互関税を発効させた場合、米国輸入市場の競合度に変化が予想されるため、対応が必要だとの提案が出た。
韓国貿易協会の国際貿易通商研究院は2日に発刊した報告書「トランプ1期後の米国輸入市場輸出競合構造の変化および示唆点」で、今年1~4月の対米輸出額を比較した結果、昨年同期に比べ、上位10カ国のうち韓国の減少幅が5%で最も大きかったと明らかにした。
今年1~4月の米国の輸入額は前年同期比19.2%増の1兆2242億ドルで、1~4月の累計では過去最大だった。これにより、米国の輸入市場上位10カ国に属するメキシコ、カナダ、アイルランド、スイス、ドイツ、ベトナム、日本、台湾の対米輸出は増えたが、中国(-0.9%)と韓国だけ輸出額が減った。韓国製品の米国輸入市場シェアは昨年4%まで上昇したが、今年1~4月は3.4%で2021年水準に戻った。米国の輸入市場で韓国製品の順位は昨年7位だったが、今年1~4月には10位に下がった。報告書は「主に自動車および部品、機械類など米国の産業育成政策が集中した品目で(韓国産の)輸入減少が目立った」と説明した。
こうしたことの背景には輸出競合度の変化も作用していると分析された。報告書は、米国の輸入市場で韓国と他の主要国間の競争は自動車および部品、機械類、電気・電子品目に集中するとし、自動車および自動車部品は既存の優位国だった日本とドイツのシェアが下落した代わりに、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の恩恵を受けて浮上したメキシコの市場支配力が大きく向上したと明らかにした。機械類と電気・電子製品は台湾とベトナムの占有率が上がったことが把握された。
各国の輸出額全体のうち、韓国と品目がどれだけ重なるかを考える輸出競合度は、韓国と同じく自動車が1位の対米輸出品である日本、ドイツ、メキシコが1~3位の対象と把握された。米国の集中的牽制を受ける中国の場合、トランプ1期行政府発足直前の2016年と比較すると、カナダ・ドイツと共に韓国との輸出競合度が低くなった。一方、メキシコとインドは競合度が高くなった。
報告書は、トランプ政権が予告どおり7月9日に相互関税を発効すれば、輸出競合度にも変化が予想されるため、対応を模索しなければならないと明らかにした。韓国(25%)より低い相互関税率が予告されたドイツ(20%)と日本(24%)に対しては「韓国製品の価格劣位による競争力弱化が憂慮される」と話した。ただ、トランプ氏はドイツが属している欧州連合(EU)と日本に、これより高い関税率を課すことがありうると威嚇している状態だ。
報告書は、「韓国より高い相互関税率が予告された中国(54%)、ベトナム(46%)、台湾(32%)、インド(26%)は、米国で韓国と機械類をめぐって競合しているため、価格競争力を活用して積極的マーケティングをしなければならない」と提案した。また、電気・電子分野でのベトナムとのシェア格差の縮小を模索すべきだとした。
韓国貿易協会のキム・ギュウォン首席研究員は、相互関税による対米輸出減少に備えて「生産拠点を多様化し、生産コストを節減して課税基準価格を低くする一方、米国内での生産が難しかったり代替可能性が低い品目に輸出を多角化しなければならない」と話した。