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【社説】自明な結論を先送りする憲法裁、混乱を拡大させてはならない

登録:2025-03-20 07:31 修正:2025-03-20 09:12
19日午前、ソウル鍾路区の憲法裁判所周辺で警察の警備が強化されている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 憲法裁判所は尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾審判の弁論を終結してから、3週間が経ったにもかかわらず、宣告期日を確定していない。民主主義を踏みにじろうとした12・3非常戒厳の違憲・違法性は明白なのに、憲法裁の決定が下されないことで、国民の間で不安と混乱が高まっている。

 尹大統領弾劾審判は先月25日に弁論が終結してから、19日現在まで裁判官評議が続いている。これに先立ち、2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の場合、最終弁論から判決まで14日がかかっており、2017年の朴槿恵(パク・クネ)元大統領の場合は、最終弁論から11日後に判決が行われた。尹大統領の事件も前例のように2週間前後かかるだろうと予想されていたが、憲法裁はこの日まで宣告日すら決めていない。通常、2~3日前に請求人と被請求人側に宣告日を告知した慣例から、判決は来週にずれ込む可能性が高い。

 憲法裁の判決が長引くにつれ、判決結果に対する様々な憶測が飛び交っている。尹大統領側が提起した様々な手続き的問題について完璧を期すため、慎重に進めているという見方がある一方、与党では弾劾却下・棄却の可能性が高まったと主張する人々が増えている。特に与党「国民の力」の一部では弾劾の「却下」を求める声が高まっているが、これは本案ではなく手続き的問題の欠陥を主張するものだ。国民の力はこの日、韓国史講師のチョン・ハンギル氏の招請講演を今年に入って2回目に開いた。極右集会に出て「弾劾不服」を主張する人物を、公党が相次いで(党主催の行事に)呼ぶこと自体が、非常に不適切な行為だ。国民の力はチョン氏から何の話を聞くというのか。最大野党「共に民主党」は憲法裁の早急な「尹大統領罷免」を求め、徒歩行進とテント座り込みを続けている。違憲的な非常戒厳、武装軍人を動員して国会を侵奪した人物が(大統領の座に)再び復帰するというのは、想像しただけでも恐ろしいことだ。

 このように尹大統領弾劾の賛否をめぐり韓国社会の対立が最高潮に達し、暴力事態が懸念されるなど一触即発の不安な状況が続いている。さらに、最近になって憲法裁の判決が予想より遅れていることで、社会的混乱も加重されている。

 尹大統領の憲法違反行為は全国民がリアルタイムで目撃し、争点も明確だ。憲法裁には「憲法の守護者」として憲政秩序を守らなければならない責任がある。尹大統領弾劾審判は認容以外に他の結論が考えられないのは明らかだ。憲法裁は一日も早く「尹大統領の罷免」を言い渡し、3カ月以上続いてきた「内乱状況」を終わらせてほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1187846.html韓国語原文入力:2025-03-19 22:16
訳H.J

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