ロシアの放射線・生物化学防護部隊司令官とその補佐官が、モスクワの自宅前で爆弾の爆発によって死亡した。海外メディアが報じた。ウクライナ側は自国が仕掛けたものだと主張した。
17日(現地時間)、ロイター通信など海外メディアの報道によると、ロシアの放射線・生物化学防護部隊を指揮するイゴーリ・キリロフ中将がこの日未明、自宅アパートを出る際に前に止められていたスクーターに設置された爆弾が爆発して死亡した。爆発はクレムリン宮から東に約6.5キロメートル離れたモスクワ南西部の住宅街で起きた。
タス通信は、ロシア機関の関係者の話として、爆弾が遠隔で操作され、キリロフ中将を狙ったものとみられると報道した。爆弾の威力は約TNT300グラムに相当するという分析。BBCは国連の資料を引用し、TNT300グラムの爆発物は約17メートル離れた距離で小さな窓ガラスを割ったり、1.3メートル距離のレンガ造りの建物に損傷を与えることができると報じた。
公開された現場写真を見ると、建物1階の出入口が焼けた跡と共に、ひどく損傷された内部が見える。建物の窓はすべて割れており、床には爆発物の残骸がある。
ロイターとAFP通信などは、ウクライナ保安当局関係者の話として、キリロフ中将の自宅前の爆弾はウクライナ側が設置したものだと報道した。RBCウクライナなどウクライナのメディアも「ウクライナ保安当局がモスクワでロシアのイゴーリ・キリロフ中将を殺害した」と報道した。ある匿名の関係者は同メディアに「キリロフはウクライナ軍に対し禁止された化学兵器を使うよう指示した人物で、戦犯であり、合法的な目標物だった」とし、「ウクライナ人を殺害する者にはこのような不名誉な終わりが待っている。戦争犯罪に対する復讐は避けられない」と述べた。
ウクライナ保安局(SBU)は前日、ウクライナで禁止された化学兵器を使用した容疑で、キリロフ中将を起訴した。保安局はロシアが2022年のウクライナ侵攻以後、化学兵器を4800回以上使用したと主張。キリロフ中将は戦争犯罪を行った容疑で在宅起訴され、ウクライナ当局が追加容疑に対する調査を進めていると海外メディアは報道した。
キリロフ中将はこれに先立ち、ウクライナ戦争で化学兵器を使用した疑いで西側諸国の制裁対象になっていた。米国務省は今年初め、ロシア軍がウクライナで化学作用剤のクロルピクリンを使用したことを確認した。