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夫に内緒でハリスに投票した女性たち…FОXニュース「不倫と同じ」

登録:2024-11-06 06:24 修正:2024-11-06 07:43
先月19日、ジュリア・ロバーツがクリーブランドのロケット・モーゲージ・フィールドハウスで開かれた第39回ロックの殿堂入り式典で演説している=クリーブランド/AP・聯合ニュース

 「あなたの投票は誰にも知られない」

 今回の米大統領選挙で歴史的な性別格差が明らかになるものとみられる中、多くの女性が家族や配偶者に知らせず、密かに民主党の大統領候補であるカマラ・ハリス副大統領に票を入れている。民主党はこれを積極的に攻略するメッセージを政治広告と演説で説破している。

 最近、民主党が出し始めた広告では、ハリウッド俳優ジュリア・ロバーツのナレーションが流れる。広告では、共和党大統領候補ドナルド・トランプ前大統領を選ぶと期待する夫と離れ、投票所に入った妻がハリス副大統領に投票する姿が描かれている。「誰にも知られず、あなたが望む人に投票できる」として、所信を持ってハリス候補に投票するよう促している。

 このような女性たちは主に保守的な中西部州に住んでいるとみられる。米国の公共ラジオ放送「NPR」は4日(現地時間)、中西部州に住む複数の女性たちの話を放送した。彼女たちはいずれも「家庭の平和」のために匿名を要請した。ウィスコンシン州に住む60代の女性は、夫との争いを避けるため、他の家族の家に行って郵便投票を発送したと語った。これまで共和党に投票してきたという彼女は、2016年にドナルド・トランプ氏が共和党大統領候補になった後、立場を変えた。彼女はトランプ氏を「女性を嫌悪」し、「愚かな人」だと話した。

 中西部の保守的な州の住民である他の女性の話も同様だ。「夫は私が共和党に投票すると思っている。夫が政治的な話をする時、私はただうなずく。そして考える。『姪たちは、私がその歳だった頃よりも自分の体に対する自由を持っていない』と」

 イリノイに住む35歳の女性も、宗教共同体の反発を懸念して匿名を要請した。2016年と2020年に全てトランプ氏に投票したという彼女は、悩んだ末に今回はハリス氏に投票することにした。交際相手と共和党員の父親に自分が誰に投票したかを知られることを恐れて、投票をためらったという。彼女は「投票の決定を下す時、娘たちのことを考えた」とし、「『よくやった。自分と多くの女性のために本当に大きなことをした』と思った」と語った。

 激戦州と共和党が支持基盤の強い地域のある女性用トイレには「ハリスに投票したことを夫に知らせる必要はありません!」 などと書かれた手書きのポストイットが貼られている。「静かな支持者」を刺激するのが狙いだ。政治的に中道の白人女性に進歩的なイシューを広報する団体「ガルバーナイズ・アクション」のジャッキー・ペイン専務理事は「NPR」に「女性が政治的意見を秘密にするのは珍しいことではない」とし、「政治的に中道の白人女性たちは対立を非常に嫌っており、対立を避けるために最善を尽くす」と語った。

 保守論客らは激しい反応を示している。保守主義の価値を若い有権者に広報するシンクタンク「ターニングポイントUSA」のチャーリー・カーク氏は「このような投票形態は夫を見捨てる行為」だとし、「米国家庭の没落を象徴するもの」だと語った。トランプに友好的なメディア「FOXニュース」の看板司会者、ジェシー・ウォーターズ氏は「不倫と同じ」とも主張した。

 世論調査専門家のガマラ氏は「NPR」に「過去には政治学者たちが『シャイトランプ』現象に注目したが、今回の選挙ではフォーカスグループの中に『密かなハリス支持者』がいる。主に中絶権のためだ」と語った。「NPR」は「どれほど多くの女性がハリス氏に密かに投票しているかは分からないが、少数の沈黙する有権者が結果に大きな影響を及ぼす可能性もある」と報じた。最近アイオワ州でハリス氏がトランプ氏をリードするという調査結果が出て衝撃を与えているが、この結果も年配の無党派の女性たちが主導したものと分析された。

キム・ウォンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1165956.html韓国語原文入力:2024-11-05 20:17
訳H.J

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