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韓国、「最低賃金差別適用」フィリピン家事労働者を9月から投入

登録:2024-07-17 07:15 修正:2024-07-17 08:12
移住家事・ケア労働者モデル事業阻止共同行動の発足記者会見が昨年8月28日、ソウル地方雇用労働庁前で行われ、参加者たちが外国人家事勤労者導入モデル事業の中止を求めている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 最低賃金の差別適用だとの批判を招いたフィリピン家事管理士が来月に入国し、9月からサービスを開始する。

 ソウル市と雇用労働部は16日、外国人家事管理士モデル事業のサービスを利用する家庭を、17日から来月6日までの3週間にわたって募集すると発表した。ソウル市と労働部は当初、今回のモデル事業を昨年末に実施する計画だったが、韓国政府とフィリピン政府との協議が長引き、実施が9カ月遅れた。

 現在、韓国産業人材公団と労働部の主管で、すでに24~38歳の100人のフィリピン家事管理士(E-9ビザ)の選抜が完了している。100人はフィリピン政府の公認する資格の所持者の中から英語と韓国語の語学能力評価、健康診断、犯罪歴などの身元検証を経て選抜され、9月から来年2月末までの6カ月間、韓国に滞在する。100人は入国後、モデル事業期間中に2カ所の共同宿舎で生活する予定だ。ただしソウル市と労働部はいずれも、宿舎の位置、価格などは公開していない。

 今回のモデル事業で、フィリピン家事管理士たちには1時間当たり9860ウォン(約1130円)の最低賃金が適用される。利用家庭は1時間当たりの最低賃金や4大社会保険などの最小限の間接費用を反映した金額(1時間当たり1万3700ウォン、約1570円)、1日4時間だと月119万ウォン(約13万6000円)ほどを負担する。ソウル市の説明によると、これは現在の公共ベビーシッターの時間制総合型(世話+家事)の月約131万ウォン(約15万円)に比べて9.2%安い。これについてソウル市のオ・セフン市長は、「賃金が月100万ウォンほどになってはじめて政策効果がある」と述べ、外国人家事管理士への最低賃金差別適用を主張しており、批判はおさまらないとみられる。

 12歳以下の子ども(2011年7月18日以降に生まれた子)がいる家庭や出産予定の家庭は、所得額とは関係なしにサービスに申し込める。サービスは全日制(8時間)、時間制(6、4時間)から選択でき、週末を除いて午前8時から午後8時まで利用が可能だ。サービスを利用するには、サービス提供機関である(株)ホームストーリー生活(代理主婦)または(株)ヒューブリス(ケアプラス)のモバイルアプリで会員加入した後に申請する。ひとり親、子どもが多い、共働き、妊娠した女性がいる家庭の順で選抜が優先される。

 労働部はこの日発表した報道資料で、「現在、フィリピン家事管理士事業とは別に、国内在住人材が家庭と直接契約を結んでケアサービスを提供するモデル事業も法務部によって準備されている(9月ごろ)」とも明かした。外国人留学生(D-2)や外国人労働者の配偶者(F-3)などが対象だという。家庭と直接契約を結ぶ家事使用人は、最低賃金法や労働基準法の適用を受けない。韓国労総の全国連帯労組家事・ケアサービス支部のチェ・ヨンミ支部長は、「これは尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の主張する、最低賃金を払うことなく(外国人)個人が家庭と直接契約を結べというもの」と述べた。尹大統領は今年4月4日の民生討論会の後続措置点検会議で、外国人留学生と結婚移民の家族の家事・育児分野への就業を認めようと述べつつ、「家庭内雇用で最低賃金制限も受けないうえ、需要供給に従って柔軟な市場が形成されるだろう」と述べている。

キ・ミンド記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/1149336.html韓国語原文入力:2024-07-16 16:46
訳D.K

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