韓国政府は、人口政策全般を統括する副首相級の人口戦略企画部を新設する。国会や各政党との意思疎通チャンネルの役割を果たす政務長官職も復活させる。
イ・サンミン行政安全部長官は1日、政府ソウル庁舎でこのような内容の政府組織改編案を発表した。政府は少子化だけでなく高齢社会への対応、人材・移民などに関する人口政策全般を統括するため、人口戦略企画部を新設する。政府は、「強力なコントロールタワーとして『戦略・企画、調整』機能に集中できるよう、経済企画院と類似したモデルとして設計した」と説明した。
人口戦略企画部は、人口政策の企画と評価、予算の配分および調整とともに、社会省庁を総括する副首相の機能を遂行することになる。出産、子ども、高齢者は保健福祉部、仕事と家庭の両立は雇用労働部や女性家族部など、具体的な政策と事業は各省庁が担当する。人口政策と中長期戦略の機能も強化する。福祉部の少子高齢社会に関する法令と政策、企画財政部の人口に関する中長期国家発展戦略機能などが人口戦略企画部に移管される。各部署の少子化対策事業に対する事前の予算配分や調整機能、各省庁の人口危機対応政策についての調査、分析、評価機能も担う。中央省庁と地方自治体の長は、少子化対策事業を新設したり変更したりする際、人口戦略企画部と事前に協議しなければならない。教育部長官が担ってきた社会副首相の機能も、人口戦略企画部長官に移管される。
政府はこのような変更に向けて、政府組織法と少子高齢社会基本法の改正案を7月中に国会に提出する予定だ。少子高齢社会基本法改正案では、新設の部に少子化関連予算の事前審議権限を与え、現在は大統領に直属する「少子高齢社会委員会」を人口戦略企画部長官の下の諮問委員会に変更する。少子高齢社会基本法は人口危機対応基本法に改正される。
政務長官職も復活させる。政府は「民生および主要な改革課題に関する利害関係や摩擦の調整、国会と政府との円滑な意思疎通など、政務機能の強化が必要だった」、「利害関係の複雑化、多様化などにより、単一の省庁では対応の難しい問題を素早く解決する組織が必要だ」と新設の背景を説明した。政務長官は、大統領が特別に指定する事務、または大統領の命を受けて首相が特別に指定する事務を遂行することになる。政府の説明によると、長官の業務を補佐するための最小限の機構と人材で組織が構成される。政府は、政府組織法に政務長官(国務委員)新設の根拠を記載し、人口戦略企画部の新設と同時に立法を推進することとした。
政府は、「このような内容を反映した政府組織法および少子高齢社会基本法の改正案を7月中に国会に提出し、早急に処理されるよう積極的に努力する」と述べた。