ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は19日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との首脳会談後、「米国とその同盟国が主導した北朝鮮制裁体制」を修正すべきだと述べた。北朝鮮の核保有を擁護するとともに、北朝鮮に対する制裁にも亀裂を生じさせるとの意図を表明したものと解釈される。
プーチン大統領は、「ロシアと北朝鮮には独立的な外交政策があり、脅迫と強要の言葉は容認しない」と述べた。そして「西側が政治・経済覇権の維持を目的として増やしてきた手段である制裁に立ち向かう」、「米国とその同盟国が国連安全保障理事会で主導した無期限の北朝鮮に対する制裁は見直すべきだ」と語った。タス通信が報じた。
同大統領は、「(安保)情勢の悪化を北朝鮮のせいにするのは容認できない」とし、「北朝鮮は自らの防衛力の強化、国家安保、主権防衛のために合理的な措置を取る権利がある」と主張した。これには核開発も含まれると解釈しうる。プーチン大統領は韓米日軍事協力について、「韓国と日本、そして北朝鮮に敵対的な兵力が参加する様々な軍事訓練の規模と強度を大きく高めて域内の軍事基盤を拡大しようとしている米国の対立的な政策」だと非難した。
これに先立ち、同大統領は18日の北朝鮮の労働新聞1面への寄稿でも、「西側の統制を受けない貿易および相互決済システムを発展させるとともに、一方的な非合法的制限措置に共同で反対していく」と述べている。国際社会の制裁を受けているという同じ境遇にあるロシアと北朝鮮が、米国中心の国際金融システムとは別の独自の貿易決済システムを整え、制裁を無力化させていく、との意志を表明したのだ。
核拡散防止条約(NPT)体制を無視して北朝鮮の核保有を容認するかのようなプーチン大統領の発言は、今回が初めてではない。3月にもプーチン大統領は放送局でのインタビューで、北朝鮮は「独自の核の傘」を持っていると述べている。続いてロシアは、国連安保理の北朝鮮制裁の履行を監視してきた専門家パネルの任期延長案に拒否権を行使し、4月30日に活動を中止させた。