北朝鮮は27日夜に発射した軍事偵察衛星の打ち上げ過程で、新型ロケットの1段目が飛行中に空中で爆発する事故が発生したとし、発射失敗を認めた。朝鮮中央通信は28日午前0時22分、「軍事偵察衛星発射時の事故発生」という見出しの記事で「国家航空宇宙技術総局は27日、西海(ソヘ)衛星発射場で偵察衛星『万里鏡1号』を新型衛星運搬ロケットに搭載し発射した」と明らかにした。北朝鮮の報道から9分後、韓国の合同参謀本部は、北朝鮮の軍事偵察衛星が空中爆発したと判断した。
朝鮮中央通信は、国家航空宇宙技術総局の副総局長が「新型衛星運搬ロケットは1段目の飛行中に空中爆発し、発射が失敗した」と述べたと伝えた。北朝鮮が27日午後10時44分に軍事偵察衛星を発射してから約1時間30分たった28日午前0時22分に、失敗を公式に認めたのだ。同通信はさらに「非常設の衛星発射準備委員会の現場指揮部の専門家審議で、新たに開発した液体酸素+石油発動機(エンジン)の動作の信頼性に事故の原因があるとし、初歩的な結論を下した」と補足した。
合同参謀本部は同日「27日午後10時44分頃、北朝鮮が平安北道東倉里(トンチャンリ)一帯から西海の南方向に発射した『北朝鮮の主張する軍事偵察衛星』1発を捉えた」とし、「その後、午後10時46分頃、北朝鮮側の海上で多数の破片が探知され、空中爆発したと判断した。韓米情報当局は緊密な協力のもと詳しく分析中」だと明らかにした。航跡を捉えてから2分後に多数の破片が北朝鮮の西海に落ちていたことからみて、北朝鮮の官営メディアの報道どおり、発射初期の1段目の飛行中にエンジン異常で空中爆発した可能性が高い。
合同参謀本部は、米国側と緊密な協力のもと「北朝鮮の主張する軍事偵察衛星」の発射準備活動を追跡してきており、韓米日のイージス駆逐艦を国ごとに指定された海域に事前に展開し、警報情報共有システムを稼動して態勢を整えていたと説明した。
北朝鮮は偵察衛星を昨年3回(5月31日、8月24日、11月21日)発射し、5月(2段目のエンジン異常)と8月(3段目飛行中の非常システムエラー)は発射に失敗した。
今回、北朝鮮は韓中日首脳会議開催日に衛星発射計画を通知し、首脳会議の記者会見後に軍事偵察衛星を打ち上げ、注目を集めている。北朝鮮は昨年2回の失敗の末、11月に初の軍事偵察衛星「万里鏡1号」を軌道に乗せたのに続き、今年中に「さらに3つの偵察衛星を打ち上げる」と予告している。