本文に移動

北朝鮮「軍事偵察衛星、空中爆発で打ち上げ失敗」…新型ロケット1段目が飛行中に墜落

登録:2024-05-28 10:18 修正:2024-05-28 10:28
北朝鮮は韓中日首脳会議が開かれた27日夜、軍事偵察衛星の追加発射を敢行したが失敗した。写真は、韓国合同参謀本部が28日に公開した西北島しょ地域の韓国の警備艦艇の監視装備が撮影した北朝鮮の主張する軍事偵察衛星の爆発映像のキャプチャー=合参提供//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮は27日夜に発射した軍事偵察衛星の打ち上げ過程で、新型ロケットの1段目が飛行中に空中で爆発する事故が発生したとし、発射失敗を認めた。朝鮮中央通信は28日午前0時22分、「軍事偵察衛星発射時の事故発生」という見出しの記事で「国家航空宇宙技術総局は27日、西海(ソヘ)衛星発射場で偵察衛星『万里鏡1号』を新型衛星運搬ロケットに搭載し発射した」と明らかにした。北朝鮮の報道から9分後、韓国の合同参謀本部は、北朝鮮の軍事偵察衛星が空中爆発したと判断した。

 朝鮮中央通信は、国家航空宇宙技術総局の副総局長が「新型衛星運搬ロケットは1段目の飛行中に空中爆発し、発射が失敗した」と述べたと伝えた。北朝鮮が27日午後10時44分に軍事偵察衛星を発射してから約1時間30分たった28日午前0時22分に、失敗を公式に認めたのだ。同通信はさらに「非常設の衛星発射準備委員会の現場指揮部の専門家審議で、新たに開発した液体酸素+石油発動機(エンジン)の動作の信頼性に事故の原因があるとし、初歩的な結論を下した」と補足した。

 合同参謀本部は同日「27日午後10時44分頃、北朝鮮が平安北道東倉里(トンチャンリ)一帯から西海の南方向に発射した『北朝鮮の主張する軍事偵察衛星』1発を捉えた」とし、「その後、午後10時46分頃、北朝鮮側の海上で多数の破片が探知され、空中爆発したと判断した。韓米情報当局は緊密な協力のもと詳しく分析中」だと明らかにした。航跡を捉えてから2分後に多数の破片が北朝鮮の西海に落ちていたことからみて、北朝鮮の官営メディアの報道どおり、発射初期の1段目の飛行中にエンジン異常で空中爆発した可能性が高い。

 合同参謀本部は、米国側と緊密な協力のもと「北朝鮮の主張する軍事偵察衛星」の発射準備活動を追跡してきており、韓米日のイージス駆逐艦を国ごとに指定された海域に事前に展開し、警報情報共有システムを稼動して態勢を整えていたと説明した。

昨年11月22日付の北朝鮮の労働新聞は「国家航空宇宙技術総局は21日22時42分28秒、平安北道鉄山郡の西海衛星発射場で偵察衛星『万里鏡1号』を新型衛星運搬ロケット『千里馬1型』に搭載して発射に成功し、軌道に正確に進入させた」と報じた/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮は偵察衛星を昨年3回(5月31日、8月24日、11月21日)発射し、5月(2段目のエンジン異常)と8月(3段目飛行中の非常システムエラー)は発射に失敗した。

 今回、北朝鮮は韓中日首脳会議開催日に衛星発射計画を通知し、首脳会議の記者会見後に軍事偵察衛星を打ち上げ、注目を集めている。北朝鮮は昨年2回の失敗の末、11月に初の軍事偵察衛星「万里鏡1号」を軌道に乗せたのに続き、今年中に「さらに3つの偵察衛星を打ち上げる」と予告している。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1142307.html韓国語原文入力:2024-05-28 09:27
訳C.M

関連記事