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株価操作事件「捜査はやるだけやった」という尹大統領…検察「キム女史、出頭せず」

登録:2024-05-11 00:57 修正:2024-05-11 08:26
尹錫悦大統領が9日午前、ソウル龍山の大統領室庁舎のブリーフィングルームで「尹錫悦政権2年国民報告および記者会見」をおこなっている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「キム・ゴンヒ女史特検法」に反対するとの立場を明確にした。尹大統領は、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に2年半にわたって検察が事実上自分をターゲットにドイツモーターズ株価操作疑惑事件を捜査したにもかかわらず、容疑は明らかにならなかったと強調し、「やるだけやっておいて、また(特検を)やろうというのは政治攻撃」だと主張した。「はたいてもホコリが出なかった事件」だというのだが、検察の内部からは、大統領選挙が差し迫っていたうえ、キム・ゴンヒ女史が捜査に協力しなかったため、「当時は十分な捜査ができなかった」との反論の声があがっている。検察は尹錫悦政権の発足から2年近く、キム女史に対して何の処分も下していない。

 尹大統領は9日の「就任2年記者会見」で、「特検は検察、警察、高位公職者犯罪捜査処のような機関の捜査が見逃しているか、手抜き疑惑がある時に行うもの」だとし、「やるだけやっておいて、またやろうというのは、特検の本質や制度の趣旨とは合わない政治攻撃、政治行為」だと述べた。2020年にドイツモーターズ株価操作事件を捜査した検察が、2021年12月に中心人物であるドイツモーターズのクォン・オス元会長を起訴した一方で、キム女史については結論を出していないことなどを根拠として、「前政権で捜査はやるだけやったのに、キム女史の容疑は立証できなかった」と主張したのだ。当時、尹大統領は前政権の検察総長で、本人と家族をめぐる事件の捜査指揮陣から排除されていた。

 しかし、捜査チームの事情をよく知る検察関係者はこの日、ハンギョレに対し、尹大統領の発言について「ほとんどが事実ではない」と語った。この関係者は、「尹大統領が検察総長として在任中だったため、内部では(上層部の)顔色もうかがわなければならず、(捜査を)進めるのが非常に難しかったと認識している」とし、「大統領選挙も差し迫っていたため、本格的に(捜査に)入れなかった」と述べた。尹大統領は2021年3月に検察総長を辞任後、政界入りし、当時野党だった「国民の力」の有力な大統領候補となっていった。

 キム女史も当時の捜査に協力しなかったという。同関係者は、「キム女史を呼び出したが出頭しなかったと聞いている」と語った。結局、キム女史の取調べは1回の「書面調査」をもって代えられた。「捜査チームはキム女史を嫌疑なしとすることを検討した」という一部の主張については、「終結しようという意見はなかった」と反論した。同事件を捜査中のソウル中央地検反腐敗捜査2部(チェ・ジェフン部長)は、現在に至るまでキム女史について結論を下していない。クォン・オス元会長ら株価操作への加担者のほとんどは一審で有罪判決を受けているが、キム女史は尹錫悦政権発足後、最小限の捜査も受けていない。そのため、キム女史に対する特検は避けられないと指摘されている。

 尹大統領は、「キム・ゴンヒ特検法」の捜査対象となるブランドバッグ受け取り疑惑についても、「妻の賢明でない振舞いで国民にご心配をかけた部分に対して謝罪申し上げる」と述べつつも、捜査協力に直接的に言及してはいない。この日、ソウル中央地検刑事1部(キム・スンホ部長)は、キム女史にブランドバッグを渡したチェ・ジェヨン牧師を告発した市民団体の関係者を呼んで取り調べた。捜査チームは来週中に被疑者としてチェ牧師に出頭を求め、取り調べる計画だ。

ペ・ジヒョン、チョン・グァンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1139975.html韓国語原文入力:2024-05-10 05:01
訳D.K

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