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石炭発電所を増やした10カ国…中国・韓国・日本など「逆行」

登録:2024-04-15 19:32 修正:2024-04-15 23:56
韓国の複合火力発電所の煙突から水蒸気が噴き出ている/聯合ニュース

 昨年、世界の石炭による発電容量が2%ほど増加したことが分かった。閉鎖されるよりも新たに稼動した石炭火力発電所が多いためだ。中国で新規に稼動する発電所が最も多く増えたが、韓国でも2021年以後、石炭火力発電所の稼動容量が増え続けていることが分かった。

 韓国の気候運動団体「気候ソリューション」が15日、グローバルエネルギーモニター、シエラクラブなど韓国以外の環境団体と発刊した世界の石炭火力発電所の推移報告書「石炭の経済大転換2024」(Boom and Bust Coal 2024)によれば、昨年の世界の石炭火力発電容量は2130ギガワット(GW)であることが分かった。1年前より2%ほど(48.4GW)増えた。21.1GWが廃棄されたが、69.5GWが新たに運営を開始したためだ。

 このうち3分の2ほどの47.4GWが中国で新たに導入された石炭火力発電容量だ。報告書は、中国以外にも韓国をはじめ日本、インド、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、パキスタン、ギリシャ、ジンバブエの10カ国を、世界的傾向に逆らって石炭火力発電所を増やしている国に挙げた。韓国は石炭火力発電容量を継続的に減らしてきたが、2021年以降に再び増やし、昨年の容量は40.1GWであることが分かった。

 報告書では、韓国は文在寅(ムン・ジェイン)政権時代の2021年に「2050年脱石炭」を公式化したが、依然として具体的な脱石炭計画を樹立しておらず、パリ協定の温室効果ガス排出削減目標の「国が決定する貢献(NDC)」にも符合していないと指摘された。NDCによって2030年までに2018年の温室効果ガス排出量(7億2760万トン)の40%まで削減しなければならないが、韓国は第10次電力需給基本計画(2022~2036年適用)によって、2030年にも総容量31.7GWに達する石炭火力発電所41基を運営する計画だ。現在稼動中の容量40.1GWから21%(8.4GW)しか減らしていない水準だ。さらに、2022年と2023年に江陵安仁(カンヌンアニン)1・2号機が稼動を開始し、今月には三陟(サムチョク)ブルーパワー1・2号機が新たに稼動を開始する。

 中国も昨年の新規の石炭火力発電所の着工容量が70.2GWと、中国を除く世界の着工容量3.6GWの19倍に達することが分かった。 エネルギー・クリーンエアー研究センター(CREA)の中国アナリストのQi Qin氏は、「ここのところ中国の石炭火力発電が急増しているのは、世界的な傾向と克明な対照をなすものであり、中国の気候目標を危険にさらすものだ」とし、「中国が石炭火力発電プロジェクトにさらに厳しい規制を加え、再生可能エネルギーへの転換のスピードを上げることが重要だ」と述べた。

パク・キヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/1136643.html韓国語原文入力:2024-04-15 15:17
訳J.S

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