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[韓国総選挙]最大野党代表は「大統領候補」、与党代表は「政権ナンバー2」固めるか

登録:2024-04-10 08:02 修正:2024-04-10 09:25
共に民主党のイ・ジェミョン代表(左)、国民の力のハン・ドンフン非常対策委員長/聯合ニュース

 4・10総選挙の成績表によって、与野党の「大権の潜竜」たちの政治的命運も違ってくる。院内第一党の座、または過半数議席を確保する側は党内の政治的立場を強固にするだろうが、敗北すれば責任論から自由にはなれないだけに、政治的に傷を負うことは避けられないからだ。

 共に民主党が4・10総選挙で目標に掲げた過半数議席(151席)を超えれば、イ・ジェミョン代表は党内で次期大統領候補としての地位を確固たるものにすることになる。候補の公認過程で非イ・ジェミョン系の議員が大挙離党したり公認漏れしたりしただけに、民主党もやはり党内けん制勢力が不在の「親ミョン独走体制」へと再編される見通しだ。政界では、イ代表は2016年の第20代総選挙での勝利を足がかりとして翌年の大統領への再挑戦に成功した「文在寅(ムン・ジェイン)モデル」の通りに歩むだろう、との観測も示されている。

 一方、「政権審判論」という根本的な構図があるにもかかわらず民主党が過半数議席の獲得に失敗すれば、イ代表の政治的地位も揺らぐものとみられる。特に国民の力の議席数が民主党を上回れば、キム・ジュンヒョク候補、ヤン・ムンソク候補ら、最後まで民主党の足を引っ張った「公認失敗」批判が再び台頭し、「イ・ジェミョン責任論」が激しく提起されるものとみられる。そうなれば、イ代表以外に適当な次期候補のいない民主党内の混乱も拡大する可能性がある。

 今回の総選挙への不出馬を宣言したうえで「ワントップ」として選挙を陣頭指揮した国民の力のハン・ドンフン非常対策委員長は、院内第一党を奪還することになれば、議席数とは関係なしに与党の次期大統領候補として躍り出るとみられる。総選挙後に行われる党大会で代表となれば、名実共に政権ナンバー2の党代表として位置づけられる、というのが党内外の見方だ。ただし、党内勢力を持たない院外党代表としての限界を露呈する可能性もある。候補の公認過程でハン委員長と衝突したイ・チョルギュ議員ら親尹系の人物のけん制も課題とされている。一方、国民の力が選挙で敗北すると、ハン委員長は責任論に直面するのはもちろん、次期大統領候補としての立場も揺らがざるを得ない。

左から新しい未来のイ・ナギョン常任顧問、改革新党のイ・ジュンソク代表、祖国革新党のチョ・グク代表/聯合ニュース

 祖国革新党が目標値である「10議席」以上を獲得して第三党に浮上すれば、同党の「アルファかつオメガ」であるチョ・グク代表の政治的地位も急上昇することになる。イ・ジェミョン代表に対抗する野党側の有力な大統領候補としてその名が取り沙汰されるだろう。だが、子どもの入試不正などで二審で宣告された実刑が最高裁で確定すれば、チョ代表は被選挙権が5年間剥奪され、大統領選への出馬は不可能になる。

 光州光山乙(クァンジュ・クァンサン・ウル)から出馬して苦戦している新しい未来のイ・ナギョン常任顧問の政治的見通しは明るくない。政界では、イ常任顧問が民主党のミン・ヒョンベ候補に敗れると、事実上「政界引退」に追い込まれるという冷やかな観測が示されている。ただ、イ代表が予想外の勝利で政治的に起死回生すれば、総選挙後の野党の再編過程で主要な役割を果たすとみられる。

 改革新党のイ・ジュンソク代表は、京畿道華城市(ファソンシ)で当選した場合、2年前に「性上納証拠隠滅教唆」疑惑などで国民の力の代表職を追われて失墜した名誉を、政治的に回復することができる。しかし落選すれば「政治的死刑宣告」を受けたも同然となる。

ソン・ダムン、イム・ジェウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/election/1135961.html韓国語原文入力:2024-04-10 05:00
訳D.K

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