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最大野党を「従北勢力の宿主」呼ばわり…また「アカのレッテル」持ち出す韓国与党

登録:2024-03-08 08:38 修正:2024-03-08 20:02
与党「国民の力」のハン・ドンフン非常対策委員長が7日午後、京畿道水原市八達区の南門市場で予備候補たちと写真を撮っている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 与党「国民の力」のハン・ドンフン非常対策委員長が7日、最大野党「共に民主党」と衛星政党を立ち上げた少数政党を「従北(北朝鮮に追従する)勢力」と呼び、総選挙で勝てば国家情報院の対共捜査権(スパイや左翼事犯などを摘発し国家保安法を適用する権限)を復活させると述べた。4月10日の総選挙が約1カ月後に迫り、保守支持層結集のために古びた理念論争を持ち出したのだ。

 ハン委員長は同日、ソウル汝矣島(ヨイド)の党本部で開かれた非常対策委員会議で、「4月の総選挙で勝ったら、すぐに国情院の対共捜査権を復活させる法改正案を出して通す」と述べた。国情院の対共捜査権は、文在寅(ムン・ジェイン)政権の権力機関改革の一つとして推進され、今年1月1日から警察に移管された。

 ハン委員長は、対共捜査権回復の理由として、共に民主党と比例衛星政党である「共に民主連合」を作った進歩党、新進歩連合など少数野党に矛先を向けた。「民主党のイ・ジェミョン代表は、自分が生き残るために統合進歩党の後身など従北勢力に伝統の民主党を宿主政党として明け渡している」とし、「このままでは、統進党の後身やスパイ前歴者などの関係者が今年、イ代表の身元保証を受けて国会に入り込むことになる」と述べた。また、「彼らは国会で何をするだろうか。国会には資料文書があり、警察、検察、国家情報院、国防部の重要な資料を閲覧し把握し、追及することができる。これは非常に深刻な問題だ」と付け加えた。進歩党などを従北勢力であり潜在的なスパイ活動団体だと断定し、民主党は彼らの宿主だとして、アカ(共産主義)のレッテルを貼ったわけだ。

 民主党は強く批判した。カン・ソヌ報道担当は「いつの時代の論争なのか。そんなに従北勢力だと確信するなら、告発して捜査させればいい」とし、「『従北勢力のような反国家団体の構成員に国会の議席を渡す』などという虚偽の事実を持ち出す暇があるなら告発すればいい」と述べた。

 この日、ハン委員長は2017年3月にあった朴槿恵(パク・クネ)元大統領弾劾事件に関して「弾劾はかなり古い話」だと述べた。

 また、党が朴元大統領の側近であるユ・ヨンハ弁護士を大邱市達西甲(タルソ・カプ、選挙区名)に予備選挙を経ずに公認候補としたことについて、「弾劾の逆戻りするという話がある」という取材陣の質問に対し、「様々な考えを持った人が集まって一緒に行ってこそ有能になる」と述べた。6日にチョン・ヨンファン公認候補管理委員長が述べた「やや政務的な判断の部分も含まれている」との発言に関しても「公認候補選びというのは結局のところ政務的に決断する過程だ。(チョン委員長の発言は)そういう意味だったのだろう」と補足した。わずか7年前に起きた朴元大統領の弾劾事件を「かなり古い事件」と一蹴し、ユ弁護士の公認問題を縮小しようとしたのだ。ハン委員長は2016年の朴槿恵-チェ・スンシル国政壟断事件に対する特別検察官に捜査チーム員として参加し、朴元大統領は翌年3月10日に憲法裁判所で裁判官の全員一致で弾劾訴追案が認容され罷免された。

ソ・ヨンジ、キム・ジウン、カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/election/1131400.html韓国語原文入力:2024-03-08 6:30
訳C.M

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