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日本、来年1月「マイナス金利」脱出?…慎重論を維持したが

登録:2023-12-19 19:51 修正:2023-12-20 07:43
植田和男日銀総裁/EPA・聯合ニュース

 日本銀行(BOJ)は今年最後の金融政策決定会合で、マイナス金利など金融緩和政策を維持することにした。同時に物価と賃金上昇などをさらに見守るとし、金融政策の転換は来年まで保留した。日銀が慎重な立場を取ったにもかかわらず、金融市場の投資家らは来年の日本のマイナス金利脱出の可能性を高くみている。

 日銀は18~19日に開かれた金融政策決定会合で現行の金融緩和政策を固守することを決めた。2016年から7年間施行している短期政策金利「-0.1%」とイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)政策をそのまま維持した。YCC政策は、長期国債金利の上下段範囲を設定し、それ以上に金利が動く場合には中央銀行が国債を買ったり売ったりする制度だ。

 金融緩和の維持は金融市場が予想した結果だ。市場は、日銀が金融緩和政策を維持しながらも今後の政策転換に対して具体的な糸口を投げるかに注目した。日銀の植田和男総裁が7日、賃金引き上げと物価上昇の好循環が確実になれば、マイナス金利の解除と長短期金利操作の改善(廃止)も視野に入れることができると言及したためだ。

 植田総裁はこの日の記者会見で、以前の発言よりは慎重な立場を示した。依然として賃金-物価上昇のサイクルが定着するか綿密に調査する必要があるとし、インフレ目標値の達成可能性は次第に高まっているが、基準を充足するか否かについてはさらに多くのデータを調べなければならないと述べた。

 植田総裁は、マイナス金利脱出の可能性についても、特定の条件が満たされる時に政策をどのように変更できるかに対する多様なシナリオを常に考えていると述べた。しかし、見通しの不確実性は非常に高く、インフレが持続的かつ安定的に目標を達成するとはまだ予想できないとして、(金融緩和政策から)どのように抜け出すことができるのかを今示すことは難しいと述べた。(目標達成のための条件が整えば)「適宜発信していきたい」と付け加えた。また、米国連邦準備制度(FED)の政策金利引き下げの動きに対しても、「例えば、3か月後、6か月後にFEDが(金利引き下げ側に)動きそうだから、その前に焦って我々の政策変更をしておくという考え方は不適切だ」とも述べた。

 日銀の慎重論により、この日の円の価値は下落した。円相場は日銀会合の結果発表後に一時1ドル=144.07円になった。

 植田総裁はこの日金融政策の転換については言葉を控えたが、金融市場の投資家らは来年のマイナス金利脱出の可能性を依然として高くみている。植田総裁が記者会見で、インフレが目標値に向かって加速化する可能性は次第に高まっているとし、来年1月に(賃金-物価上昇サイクルに対して)徹底した評価を実施する予定だなどとする発言もしたためだ。

 ブルームバーグはこの日、「エコノミストたちは日本がインフレ目標値を達成すると期待しており、ブルームバーグの調査によれば日銀が来年4月の会合までにマイナス金利を終了すると予測する人々がますます増えている」と評価した。来春の賃金交渉である春闘が変曲点になるという予想だ。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1121059.html韓国語原文入力:2023-12-19 18:21
訳J.S

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