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銃を握った者が語る未来…イスラエル、無期限の「治安責任」または占領を構想(2)

登録:2023-11-18 07:05 修正:2023-11-18 08:12
2023年11月6日「平和のためのユダヤ人の声」という団体の活動家たちがパレスチナのガザ地区で即時休戦を求める集会を開いている/AFP・聯合ニュース

(1から続く)

米国「イスラエルも、ハマスも、統治してはならない」

 米紙ニューヨーク・タイムズの報道によると、G7外相会議に出席したアントニー・ブリンケン国務長官は「地上軍の作戦終了後、一定の履行期間にイスラエル軍がガザ地区に駐留する必要性がある。ただし、長期的にはイスラエルも、ハマスも、ガザ地区を統治してはならない」と述べた。さらに「パレスチナ住民の声と望みがガザ地区の戦後処理案の中心になるべきだ。パレスチナ住民が主導する政府が構成されなければならない。ガザ地区はパレスチナ自治政府が統治するヨルダン川西岸と統合されるのが望ましい」と強調した。戦後「米国が望むガザ地区」はどんな姿かを明確にしたわけだ。

 ブリンケン長官は10月31日、上院歳出委員会に出席し、「ハマスがガザ地区を統治していた過去に戻ってはならない。だが、イスラエルがガザ地区を占領するようにしてもならない」と述べた。また「パレスチナ自治政府がガザ地区を統治すべきだ。ただし、自治政府体制に直接進めるかどうかは分からない。それが困難なら、域内国家および国際機関と共に履行期間を設ける案が必要にもなりうる」と付け加えた。ガザ地区の「主権」はガザ住民にはないということだ。

 開戦初期からイスラエル側は「異夢」を抱いていた。「エルサレム・ポスト」などの報道によると、イスラエル情報当局は10月13日に作成した概念文書で、このような「最善策」を提示した。第一に、ガザ地区の住民をエジプト国境向こうのシナイ半島に追い出す。第二に、シナイ半島北部に巨大な「テント都市」を建て、今後永久居住地を建設する。第三に、ガザ地区とシナイ半島を結ぶ「人道回廊」を設け、国境に保安地帯を設置してガザ住民の逆流入を防止する。ガザ住民をエジプト砂漠に追い出し、「ガザ問題」をイスラエルではなく「エジプトの問題」に変えるというわけだ。文書が公開されるとイスラエル政府は「仮想を前提とした報告書に過ぎない」と言い逃れした。

 「イスラエルがパレスチナ住民を追い出すのを助け、アラブ人全体の非難を招こうとする人が一体どこにいるだろうか」。パレスチナ自治政府の与党「ファタハ」の中央委員とガザ地区の責任者を歴任したムハンマド・ダフラン氏は10月30日、英週刊誌「エコノミスト」とのインタビューでこのように述べた。タフラン氏は「パレスチナ住民が大勢エジプトに追い出されたら、エジプト国内的にも深刻な政治・社会的問題になるだろう」と語った。

ダフラン氏「戦後約2年間は移行期」

 ダフラン氏は、戦争直後にパレスチナ自治政府をガザ地区に「移植」することも現実性に欠けると指摘した。腐敗にまみれたマフムード・アッバス議長をはじめ自治政府指導部に対する大衆の信望は、西岸地区でも奈落に落ちて久しい。イスラエルが廃墟にしたガザ地区を「占領軍」であるかのように接収すれば、大衆の怒りに油を注ぐことになりかねない。ガザ地区内部で混乱が続けば、結局イスラエルが軍事的介入に乗り出す悪循環が繰り返されざるを得ない。解決策は果たして何だろうか。

 ダフラン氏は「ガザ地区とヨルダン川西岸の専門官僚が戦後約2年間履行期を管理しながら、16年余りにわたり深まった対立を解消する必要がある。さらに、パレスチナのすべての政党が参加する選挙を行って政府を構成し、国際社会が国家として公に認めなければならない」と述べた。特に「ハマスも選挙に参加すべきだ。ハマスは消えないだろう」と強調した。

 2021年5月に予定されていたパレスチナ自治議会の選挙は「ハマスの躍進」に対する懸念の中で無期限延期された。ハマスが圧勝した2006年1月以降、自治議会選挙は一度も行われていない。米国も、イスラエルも、自治政府も、ダフラン氏の提案に耳を傾ける可能性は低いと思われる。ガザの惨劇は「2006年の誤った選択」から芽生えたという指摘が出てくるのもそのためだ。パレスチナ住民に「主権」はない。

チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://h21.hani.co.kr/arti/world/world_general/54659.html韓国語原文入力:2023-11-11 10:17
訳H.J

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