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[社説]総選挙用の人気政策を乱発する韓国政府・与党、後始末できるのか

登録:2023-11-07 06:10 修正:2023-11-07 08:54
キム・ジュヒョン金融委員長(右)とイ・ボクヒョン金融監督院長が5日、ソウル世宗路の政府ソウル庁舎で、2024年6月末まで国内証券市場の全銘柄に対する空売りの全面禁止という臨時金融委員会の議決内容を発表した後、記者団の質問に答えている=キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 韓国の政府与党が総選挙用のポピュリズム政策を乱発している。地域の均衡ある発展に逆行する金浦市(キンポシ)のソウル編入案や、カカオ・銀行たたきに続き、株式の空売り禁止まで持ち出した。国民経済に及ぼす影響に対する綿密な考慮と討論もなく、一時的な大衆迎合政策を打ち出している。

 キム・ジュヒョン金融委員長とイ・ボクヒョン金融監督院長は5日、来年6月まで空売り全面禁止方針を発表した。空売り制度の導入後、これまで全面禁止されたのは2008年の世界金融危機と2011年の欧州財政危機、2020年の新型コロナウイルス感染症によるパンデミックなど3回のみ。いずれも外部要因による株価急落が懸念されたことを受け、一時的に取った措置だ。今回のように外部要因もない状態で、国内だけでなく全世界の投資家が影響を受ける主要政策を、日曜日の夕方に突然発表したのは前例のないことだ。来年4月に迫った総選挙を意識した政治的決定という疑念を抱かざるを得ない。

 政府が明らかにした空売りの一時的全面禁止の決定理由は、最近摘発された外資系投資銀行2行の違法な無借入空売りだ。無借入空売りとは株式を借りずに売って注文を出すことで、2000年に空売りした株式の未決済事件を機に違法となった。今回の措置は全面禁止の事由にしてはあまりにも軽いと言わざるを得ない。無借入空売りを防ぐためには、まだ手書きで作成する売り注文を自動化し、摘発時に処罰を強化すれば良いことだ。

 これまで金融当局は空売りの純機能を強調してきた。空売りが市場作りと外国人投資家の流入に欠かせないとみたためだ。また、株価の過熱を防ぎ、特定の株式に対する否定的な見解の表出を自由にし、作戦勢力によって異常に急浮上する銘柄を発見するなどの純機能があるのも事実だ。このような理由により政府は、空売りの担保比率と返済期間の設定で個人と機関の間に存在する格差の是正に消極的だった。政府みずから「傾いた運動場(初めから一方に有利な不公正な構造)」という個人投資家の不信感と不満を高めた側面がある。ところが最近、与党「国民の力」を中心に空売り禁止を求める発言が相次いだことを受け、突然態度を変えたのだ。経済政策をこのように運用しても良いのか。

 今回の措置はグローバルスタンダードに反するもので、これまで韓国政府と業界が力を入れてきたモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)の先進国指数への組み入れは遠のいたものとみられる。韓国政府の国際信頼度にも影響を及ぼしかねない。総選挙に役立つなら何でもしそうな、実に無責任な政府だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1115153.html韓国語原文入力: 2023-11-07 02:43
訳H.J

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