本文に移動

尹錫悦政権はどこの国の右派なのか

登録:2023-09-17 22:55 修正:2023-12-27 10:00
1922年の極東民族大会に参加した洪範図将軍(左)と崔振東将軍。両将軍は1920年の鳳梧洞戦闘勝利の主役だった=共有写真//ハンギョレ新聞社

 2023年8月27日、光復会のイ・ジョンチャン会長がイ・ジョンソプ国防部長官の退陣を勧告する公開書簡を発表しました。イ会長の主張は明確で、間違った部分はありません。陸軍士官学校の忠武館前に胸像がすえられている洪範図(ホン・ボムド)、李会栄(イ・フェヨン)、金佐鎮(キム・ジャジン)、池青天(チ・チョンチョン)、李範ソク(イ・ボムソク)の5人は、自らの栄達ではなく国を取り戻すために命がけで独立戦争をしたということです。一方、イ・ジョンソプ長官のような人々が持ち上げる白善燁(ペク・ソンヨプ)将軍は、自身の出世と栄達のために日帝に忠誠を尽くすこともいとわなかったということです。

 問題は、この事態を引き起こしたシン・ウォンシク議員(国防部長官内定者)やイ・ジョンソプ長官のような、現政権の人々の考え方です。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は胸像が建てられた5人のうち、ソ連共産党員だった洪範図将軍だけでなく李会栄、金佐鎮、池青天、李範錫の胸像も忠武館前から撤去する予定です。陸軍士官学校の象徴的な空間である忠武館前にはふさわしくないというのが理由です。ですが、この5人以外に、果たして誰が忠武館前にふさわしいというのでしょうか。

 韓国の右派には、他国の右派にはなかなか見られない点があります。通常、他国の右派は自分の国と民族を持ち上げ、他国と他民族を見下します。ですが韓国の右派は米国と日本を持ち上げ、韓国を見下します。例えば尹錫悦大統領は、日帝時代に強制動員された韓国人被害者の意思を無視し、日本政府の意向に沿って強制動員問題を処理してしまいました。また尹錫悦政権は日帝による朝鮮強制占領や抗日武装闘争、福島第一原発の汚染水放出、独島(ドクト)領有権、東海(トンヘ)表記などの問題で日本政府に同調しているようにみえます。果たして彼らはどこの国の右派なのでしょうか。

 現在の大韓民国には、日帝強占期についての合意があります。日帝に抗して独立運動をしていたというのは評価すべきことで、日帝に協力して独立を妨害していたというのは批判されるべきことだというものです。また、北朝鮮や朝鮮戦争についても同じです。大韓民国を守るために北朝鮮に抗して戦ったというのは良いことで、大韓民国を倒すために北朝鮮と協力したというのは悪いことだというわけです。

 この2つの合意は、大韓民国政府が愛国者に勲章を与える際の大原則でもあります。この原則に則れば、胸像が建てられた5人は明らかに愛国者であり、白善燁将軍は半分は反逆者、半分は愛国者です。尹錫悦政権が傷をつけ続ける洪範図将軍は、誰よりも立派に独立運動を闘い、北朝鮮に協力したことはありません。どうか右派尹錫悦政権には、この社会の合意を尊重してくれるよう願います。そうしてこそ韓国社会は不必要な論争で時間と力量を浪費することなく、前に進むことができるのです。

キム・ギュウォン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://h21.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/54399.html韓国語原文入力:2023-09-14 21:24
訳D.K

関連記事