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サムスン電子、営業利益32%減少…「半導体寒波」本格化

登録:2022-10-07 20:06 修正:2022-10-08 09:16
サムスン電子提供//ハンギョレ新聞社

 「半導体寒波」の影響でサムスン電子の今年第3四半期の収益性が大幅に下落した。世界的な景気減速による業績不振は、第4四半期にも続く見通しだ。

 7日、サムスン電子が公開した第3四半期の暫定実績(連結基準)によると、売上高は76兆ウォン(約7.8兆円)、営業利益は10兆8千億ウォン(約1.1兆円)。売上は昨年同期より2.73%、第2四半期に比べると1.55%それぞれ増加した。売上基準では5四半期連続で70兆ウォン台を上回った。しかし、営業利益は昨年同期比31.73%後退した。第2四半期に比べても23.4%減少した。営業利益は市場展望値(11兆9226億ウォン~11兆7734億ウォン)を約9%下回る数値だ。昨年、新型コロナ特需を享受した基底効果を考慮しても、市場予想よりさらに収益性が悪くなった。

 サムスン電子の営業利益の70%を占め、心強い支えとなっていた半導体部門が力を発揮できなかった。主力のメモリー半導体の需要減少と価格下落が予想より深刻だった。事業部門別の詳細実績はまだ公開されていないが、証券業界では第3四半期の半導体(DS)部門の営業利益を6~7兆ウォンとみている。第2四半期(9兆9800億ウォン)と比べると、30%ほど急減したもの。台湾の市場調査会社トレンドフォースによれば、メモリー半導体の二大軸であるDRAMとNANDフラッシュの価格は第3四半期に前四半期に比べそれぞれ10~15%、13~18%下落した。ユジン投資証券のイ・スンウ研究員は「コロナ特需で好況を享受した半導体の需要鈍化が本格化し、メモリーチップの注文が異例に急減し、中国のコロナ封鎖などに備えて備蓄しておいた在庫が二重の負担になっている」と分析した。相対的に需要が堅調だったサーバー用メモリーは、顧客企業の在庫調整の影響が予想以上に大きく、モバイルやパソコンなど消費者用製品は需要不振が続いた。ただし、ファウンドリ(半導体委託生産)は注文需要が高く、為替レートの影響も肯定的で善戦したとみられる。

 テレビなど家電部門も、耐久財消費の不振と原価上昇が重なり収益性が大幅に悪化したとみられる。前年同期の半分の水準である4千億ウォン台の営業利益を出したと証券業界はみている。スマートフォン(MX)部門とディスプレイは比較的良好な成績を収めたと推定される。スマートフォンは新たに発売したフォルダブルフォンの販売が良好で、ディスプレイ部門はアップルなど顧客企業の需要が加勢した。スマートフォン部門の営業利益は2~3兆ウォン、ディスプレイは1兆ウォン台後半の営業利益と推定される。

 主力の半導体業況の見通しは依然として暗い。証券業界ではサムスン電子の実績はまだ底を打っていないとみられている。世界的な景気減速やドル高の影響で、電子製品の需要がなかなか回復せず、年末特需への期待が高くないためだ。メモリー半導体は第4四半期にも急激な価格下落が予想される。市場調査機関はパソコン用DRAMの価格が第3四半期より10~15%、サーバー用は13~18%それぞれ下落し、NANDフラッシュは15~20%下落するとみている。

 最近、ライバル会社の米国のマイクロンと日本のキオクシアなどグローバル半導体メーカーが減産と投資縮小に乗り出しているが、半導体の在庫調整が進み価格が反騰する時点は来年上半期以後になると証券業界はみている。サムスン電子メモリー事業部のハン・ジンマン副社長は5日のメディアブリーフィングで、メモリー減産計画に関して「現時点では(減産の)議論はない」と明らかにした。減産や投資縮小をせずに、メモリー1位企業の競争優位を活用する戦略だ。証券業界の第4四半期のサムスン電子の業績展望値(FnGuide)は、売上78兆5145億ウォン(約8.1兆円)、営業利益9兆9842億ウォン(約1.0兆円)だ。キウム証券のパク・ユアク研究員は「今年末からメモリー供給業者などの施設投資と稼動率調整が本格化し、在庫調整は来年第1四半期を過ぎて終えられるとみられる」と見通した。ハイ投資証券のソン・ミョンソプ研究員は「半導体の業況は来年第3四半期になってようやく反転するとみられ、底を打つのはまだ先」とし「ただし、景気先行指標が来年第1四半期中に改善されれば、実績が早期に反騰する可能性がある」と診断した。

キム・フェスン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1061809.html韓国語原文入力:2022-10-07 17:37
訳J.S

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