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米原子力空母、今週釜山に入港…「核の傘」めぐる協力誇示する韓国政府

登録:2022-09-19 01:51 修正:2022-09-19 07:08
北朝鮮の核への対応に向けた韓米拡大抑止戦略協議体(EDSCG)会合のため訪米中のシン・ボムチョル国防部次官が米アンドリュース合同基地で、核兵器を搭載できるB52戦略爆撃機を直接確認したと、国防部が16日、異例にも写真と共に発表した=国防部提供//ハンギョレ新聞社

 米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」(CVN-76)が今週後半、釜山(プサン)に入港する。16日に開かれた韓米の高官級拡大抑止戦略協議会(EDSCG)の会合で、米戦略資産の展開・運用を強化することで合意した直後、これを誇示するかのように進められる作戦だ。

 ロナルド・レーガン空母打撃群は今週釜山に入港し、今月末ごろ東海で韓米合同演習を行う予定だ。米軍の空母が韓国国内に入港するのは、北朝鮮の6回目の核実験後の2017年11月以来、約5年ぶり。ロナルド・レーガン空母打撃群にはロナルド・レーガンをはじめ、タイコンデロガ級誘導ミサイル巡洋艦「チャンスラーズビル」(CG-62)やアーレイ・バーク級イージス駆逐艦「バリー」(DDG-52)、「ベンフォールド」(DDG-65)などが参加する。ロナルド・レーガン号は各種航空機80機余りを搭載し、「海に浮かぶ軍事基地」と呼ばれる。

 今回の入港に対しては、北朝鮮と中国の反発が予想される。北韓大学院大学のヤン・ムジン教授は「ロナルド・レーガンの入港と合同演習が外形的に北朝鮮に対する抑制力の強化という目的を持っているとしても、一方では中国に対する牽制の性格もある」とし、「THAAD(高高度防衛ミサイル)の正常化問題と相まって中国が不満を抱かざるを得ない」と指摘した。

 これと共に、米軍は16日(現地時間)、沖縄駐留の第5航空艦砲連絡中隊(ANGLICO)と韓国海兵隊の合同演習写真を米国防総省ホームページにて公開した。第5航空艦砲連絡中隊は、米海軍艦艇と戦闘機などの作戦を最前方から支援する「目」の役割を果たす部隊だ。同部隊の演習の写真が公開されたのは2017年以来、5年ぶり。これは北朝鮮の「核兵器使用法制化」に対する警告メッセージだと専門家たちは分析する。北韓大学院大学のキム・ドンヨプ教授は「非公開だった海兵隊連合同演習を公開したことは、米軍の対北朝鮮基調が確実に変わったということを意味する」とし、「最前方から敵陣に浸透する海兵隊の性格を考えると、北朝鮮も敏感に受け止める可能性が高い」と話した。

 韓米は16日、米ワシントンで4年8カ月ぶりに開かれた高官級拡大抑止戦略協議会の会合後に発表した共同声明で、「北朝鮮のいかなる核攻撃も圧倒的かつ決定的な対応に直面するという点を明確にした」と述べた。また「北朝鮮の脅威に対応するため、外交的・情報的・軍事的・経済的手段を含むすべての利用手段を使うという双方の意志を強調した」と明らかにした。韓米は拡大抑止協議体を毎年定例的に開催し、来年の会議前に実務会議も開催することにした。拡大抑止は、核兵器のない米国の同盟国が敵対国の核攻撃を受ける場合、米国が代わりに核報復攻撃を加えるという概念だ。

 これについて韓国政府は、米国の戦略爆撃機、空母など戦略兵器の展開および運用のような拡大抑止政策を執行する上で、韓国の発言権が制度的に保障されたと評価した。しかし、既存の両国の意見の相違を再確認する水準にとどまったという批判もあり得る。米国は戦略資産運用をめぐる協力の強化を約束したが、長距離戦略爆撃機や原子力空母、原子力潜水艦などの戦略兵器を韓国と合意して運用するという意味ではないためだ。しかも、米国が全世界の脅威を念頭に置いて組んだ戦略兵器運用計画を、韓国だけのために変える可能性は非常に低い。これに先立ち、朴槿恵(パク・クネ)政権時代の2016年10月、韓米国防長官は定例安保協議会(SCM)で、戦略爆撃機と原子力潜水艦など米国戦略兵器の朝鮮半島常時循環配置案について話し合ったが、米国側が断った。

シン・ヒョンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1059079.html韓国語原文入力:2022-09-18 20:46
訳H.J

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