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台風11号、幾重にも重なった雨雲の高さ14キロ…まず1時間に100ミリの豪雨

登録:2022-09-05 03:08 修正:2022-09-05 13:43
台風11号ヒンナムノーが非常に強い勢力を保って北上している中、4日午前、ソウル銅雀区の気象庁の政策ブリーフィング室で、チャン・イクサン通報官が衛星「千里眼2A」に捉えられた台風を注視している/聯合ニュース

 台風第11号「ヒンナムノー」は4日、北上を開始し、6日午前8~9時には慶尚南道東部の南岸に上陸すると予想される。台風の接近に先立ち、4日夜から5日午前にかけて、首都圏と江原道の嶺西(ヨンソ)、忠清南道の西部には気圧の谷の影響で1時間当たり20~30ミリの強い雨が降る見通しだ。

 気象庁は4日、「台風第11号『ヒンナムノー』は午後3時現在、台湾の台北の北東約390キロ付近の海上を、中心気圧935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速49メートル、強風域の半径430キロの非常に強い勢力へと発達し、時速26キロで北北東に進んでいる」と発表した。台風11号は24時間後に済州道の西帰浦(ソグィポ)市の南南西約340キロ付近の海上にまで接近し、6日午前3時ごろには西帰浦市の東北東約50キロ付近の海上から北東へ進路を変えると予想される。ヒンナムノーはその時まで中心の風速が44メートルを超える「非常に強い」勢力を保つと見られる。

 気象庁は4日午前11時に、仁川市江華(インチョンシ・カンファ)と、京畿道の坡州(パジュ)、漣川(ヨンチョン)、金浦(キンポ)に対して4日夜から、江原道華川(ファチョン)と鉄原(チョルウォン)に対して5日未明から、首都圏と江原道嶺西に対して5日朝から、忠清南道洪城(ホンソン)、瑞山(ソサン)、唐津(タンジン)、泰安(テアン)、礼山(イェサン)、牙山(アサン)に対して5日午前からの豪雨予備特別警報を発表した。気象庁は、首都圏と済州には4日夜に1時間当たり20~30ミリの雨が降ると予想している。気象庁のイ・グァンヨン予報分析官は「北西から冷たく乾燥した気圧の谷が接近することによって、地上に低気圧が発達した状態で、台風11号が押し上げる高温多湿な水蒸気が高くて強い雲の帯を作るため、強い雨が降る。雨が集中する時には、地上から14キロの高さまで雲が充満するほど水蒸気が多くなっているため豪雨となる恐れがあり、雷も伴うだろう」と説明した。

9月4日午前10時の台風情報=出典:気象庁//ハンギョレ新聞社

 一方、日本の沖縄付近で停滞していた台風11号は、4日に北上を開始しつつ再び勢力を強め、はっきりした台風の目が観察されている。イ・グァンヨン予報分析官は「台風は沖縄付近で部分的に瓦解したものの、依然として強い勢力を保っているため、沖縄諸島の石垣島の監視カメラが左右に強く揺れ、強い雨が降ったため本来の機能が失われるほどだった。台風は高温水域を通過することで、再び『超強力な』(韓国の台風の強さを表す尺度の最高段階)勢力にまで発達した。済州に接近する時は『非常に強い』(同、上から2番目)で、やや弱まると見られるが、勢力は依然として強いだろう」と説明した。

 北上していたヒンナムノーは、5日午前9時ごろに済州の西帰浦市の南南西約460キロ付近の海上で方向を変えはじめ、6日午前2~3時ごろには中心が済州の東を通過し、午前8~9時には釜山(プサン)の北北西約20キロ地点を通過するものと予想されている。低水温域を通過したことで、慶尚南道の南岸に上陸する頃にはさらに弱まって「強い」(同、上から3番目)になっているとみられる。イ・グァンヨン予報分析官は「現在、韓国、英国、欧州のモデルが大枠では似たような進路を予想しているが、各モデルの詳細な分析では違いがあるため、台風がもう少し西に上陸するか、慶尚南道南岸の東部の海上を通過するか、可能性はいずれも残っている状態だ。5日午前ごろに(北上していた)台風が方向転換すれば、より正確な進路の分析が可能になるだろう」と説明した。

 台風の接近に伴って最大瞬間風速が記録されると予想される時期は5日夜から6日にかけて。済州道と全羅南道南岸、慶尚南道の沿岸、鬱陵島(ウルルンド)・独島(ドクト)には風速40~60メートル、慶尚北道東岸、江原道の嶺東(ヨンドン)、全羅南道西岸には30~40メートル、その他の南部地方、忠清道には20~30メートル、首都圏と江原嶺西には15~20メートルの強風が吹くと予想される。

 6日までに全国的に100~300ミリの大雨が降ると予想される。特に済州道の山地には600ミリ以上、京畿北部、江原の嶺西北部、南海岸、慶尚道東岸、済州、智異山(チリサン)周辺、鬱陵島・独島には400ミリ以上降る可能性がある。気象庁は「首都圏と江原嶺西の中北部、忠清南道北部、南海岸、済州道は5日から、全国のその他の地域も6日未明から午前の間に、所によって1時間当り50~100ミリの非常に強い雨が降る」と発表した。

 気象庁は特に、台風の接近時間と満潮が重なるため、沿岸地方では高波や排水口からの逆流などの被害に備えるよう呼びかけた。各地の満潮時間は、済州道が4日午後4~7時、5日午前3~6時、午後6~8時、6日午前5~8時、午後7~10時▽南海岸が5日午前2~5時、午後4~7時、6日午前5~7日、午後6~9時▽西海岸が5日午前8時~12時、午後8時~6日午前1時、6日午前9時~12時▽東海岸が5日午前9~10時、6日午前2~4時、午前10~11時。

イ・グニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/1057375.html韓国語原文入力:2022-09-04 12:52
訳D.K

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