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「ウクライナ東部のルハンスクの病院全壊」…ロシア軍捕虜銃殺する動画も波紋

登録:2022-04-09 02:41 修正:2022-04-09 08:29
ウクライナ東部のドンバス地域で交戦が拡大している中、7日(現地時間)、親ロシア武装勢力「ドネツク人民共和国」所属の兵士が同地域の主要都市マリウポリをパトロールしている= マリウポリ/タス・聯合ニュース

 ロシア軍の集中攻撃を受けている東部ルハンスク州のすべての医療施設が破壊され、鉄道施設も攻撃を受けるなど、ウクライナの被害が拡大している。首都キーウ(キエフ)周辺では民間人への被害などの惨状が確認され続けている中、ウクライナ軍の兵士がロシア兵捕虜を射殺する動画が公開され、波紋が広がっている。

 ルハンスク州政府は7日(現地時間)、ロシアの侵攻後、地域内の病院がロシアの攻撃によってすべて破壊されたと明らかにした。米CNNが報じた。同州のセルヒー・ハイダイ知事は同日、SNS上で「ロシアの全面的な攻撃以降、州内の全ての病院が爆撃を受けた」と明らかにした。同氏は破壊されたルビズネ地域の病院の写真を公開し、同病院は先端設備を備えたところだったと説明した。

 同日も東部地域で激しい戦闘が続く中、ルハンスク州と北部ハルキウ州を結ぶ鉄道の主要地点がロシアの攻撃を受けた。軍当局は、両地域を結ぶ路線がハルキウ州のバルビンコベでロシア軍の攻撃を受けたと明らかにした。この鉄道路線は、ドネツク州北部地域を経てハルキウ州へと抜ける主要ルートだ。今回の攻撃で、ルハンスク州からの避難民を乗せた列車の運行が一時中止された。

 東部のドンバス地域は親ロシア分離独立勢力との内戦が長引いており、ロシアは同地域の完全掌握を目指して攻勢を強めている。英BBCは、ロシア軍が同地域にさらに多くの兵士を配置しつつあり、ウクライナ軍は劣勢を強いられていると報じた。

 ロシア軍が撤退した首都キーウ周辺地域の惨状も明らかになりつつある。ウクライナ検察は、民間人集団虐殺疑惑が提起されているブチャの近隣都市ボロディアンカの2つのマンションで、26体の遺体を収容したと明かした。検察は「このマンションには軍事施設などない」とし、これはロシアの戦争犯罪を示す証拠だと主張した。

 BBCによると、北部国境地域のチェルニーヒウ州でも民間人被害の惨状があらわになりつつある。ヤヒドネ地域の住民たちは、ロシア軍が同地域を占領していた1カ月の間に、地下に避難していた多くの老人が死亡したと語った。地域住民のミコラ・クリムチュクさんは、「一緒に避難していた人の中から、これまでに12人の死者が出ている」とし、すぐには遺体を処理できないため、数日間地下室で遺体と共に過ごしたと話した。

 一方、首都キーウ近隣地域の路上でウクライナの兵士がロシア軍捕虜を射殺する動画が公開され、波紋が広がっている。ロイター通信などが報じた。SNS上で公開されたこの動画は、ロシア軍所属であることを示す白い腕章をつけた男性が3回銃撃される様子が映っている。ウクライナ兵は捕虜を銃で1発撃った後に「まだ生きている。ゼエゼエ言っている」と言っている。ロシア軍捕虜は3発撃たれた後も体を動かしていた、とロイターは伝えた。

 この動画には、後ろ手に縛られて死んでいる兵士を含む、別の2人のロシア兵の遺体も映っている。ロイターは、この映像ファイルに含まれている位置情報を分析した結果、民間人虐殺疑惑が提起されているブチャから遠くないドミトリウカで撮影されたと推定されると伝えた。ウクライナのドミトロ・クレバ外相は、真相を徹底的に調査すると表明した。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1038083.html韓国語原文入力:2022-04-08 08:32
訳D.K

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