中国軍当局が最近3つの海域で同時多発訓練を行った事実を遅れて公開した。米国と日本が台湾近隣海域で大規模な軍事演習を行ったことに対する正面対抗したものとみられる。
11日、官営の「中国中央放送」(CCTV)などの報道を総合すると、人民解放軍東部戦区司令部は、東シナ海海上で駆逐艦052C型と052D型、護衛艦054A型などを動員し実戦に備えた訓練を行った。東部戦区司令部は、江蘇・浙江・福建省など中国東部沿岸地域と台湾海峡一帯を管轄する。
また南部戦区司令部は、南シナ海海上で補給船903型と病院船などを投じて、捜索・救助および実弾射撃訓練を実施した。さらに北部戦区司令部も西海(ソヘ)で大規模捜索・機雷除去訓練を実施したと伝えられた。
中国軍が3つの海域で同時多発的に訓練を行ったのは、北京冬季五輪の開幕前日である今月3日から7日まで米日が実施した「ノーブル・フュージョン2022」訓練に対抗して、いわゆる「戦闘準備態勢」を誇示するためと考えられる。
米軍軍事専門新聞の「星条旗新聞(Stars and Stripes)」の9日付報道によれば、エイブラハム・リンカーン航空母艦を筆頭に、米海軍と海兵兵力1万5千人余り、自衛隊兵力1千人余りが参加したこの演習は、空対地打撃訓練と空中給油、海上・上陸戦闘能力などを点検した。特に演習海域がいわゆる「第1列島線」付近である点が注目を引く。
星条旗新聞は「今回の演習はルソン海峡と宮古海峡一帯で進行され、沖縄と東シナ海も訓練地域に含まれた」と伝えた。ルソン海峡は、フィリピン北部と台湾西南部に、宮古海峡は東シナ海と太平洋を連結する地点に位置している。演習半径の中央に台湾があるという意味だ。
官営「グローバル・タイムズ」は専門家の話を引用し「米国と日本は『五輪休戦』で平和ムードを作り出すべき北京冬季五輪期間であるのに、軍事演習を実施し緊張を高めた」と伝えた。中国側は前日、殲-16戦闘機8機と運-8電子電気・対潜機・偵察機各1機など空軍機11機を投じて台湾西南部の防空識別区域(ADIZ)を侵した。五輪が開幕した今月4日以降、5回目となる。