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39階建てマンション崩壊、氷点下で強行されたコンクリート打設が招いたか=韓国

登録:2022-01-13 03:25 修正:2022-01-13 07:06
12日午後、光州西区の花亭現代アイパーク崩壊現場の断面から鉄筋などが突き出ている=光州/シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 光州(クァンジュ)広域市で新築工事中だった花亭(ファジョン)現代アイパークマンションが14層にわたって崩壊した事故について、冬期の無理なコンクリート打設工事が事故につながったのではないかとの指摘が出ている。事故当日、強風のためクレーン作業は中止されたにもかかわらず、コンクリート打設作業は氷点下の中で行われていたことが確認された。

 12日、国土交通部の「冬期コンクリート構造物品質管理指針」を確認したところ、1日の平均気温が4度以下の気象条件では、必ず保温・給熱措置を取った後にコンクリートを打設することになっている。コンクリートが凍らないように圧縮強度4メガパスカル以上を確保し、2日間にわたって0度以上の温度を保つ。コンクリートが十分な硬さを得られるようにするための規定だ。事故当時、花亭洞周辺の気温は氷点下2.2度だった。

 施工会社のHDC現代産業開発は、管轄の西区(ソグ)の区役所に「冬期コンクリート構造物品質管理計画」を提出していたという。しかし冬季(12~2月)の工事現場ではコンクリート打設時に「温度を保つための養生」を行わないケースが少なくないという。

 事故の5時間前まで現場でクレーンを操縦していたパク・チョンギュさん(48)は本紙の電話取材に対し「当日は朝8時に作業を始め、強風のため午前10時30分に現代産業開発に『作業は難しい』と伝え、クレーンを止めた。(しかし)午前10時にミキサー車が来ることになったという話を聞いた。39階の床へのコンクリート打設工事が事故直前に90%完了したとも聞いている」と語った。パクさんは「20年間にわたってこの仕事をしてきたが、こうした事故は聞いたことも見たこともないタイプのものなので、なぜ事故が起きたのか理解できない」とも述べた。

 群山大学のアン・ホンソプ教授(建築工学科)は「コンクリートが正常に強度を発現するためには、常温で一定時間が経過しなければならない。低温では強度の発現が遅れるが、今回の事故は打設した階を支持している下部層のコンクリートの強度が作業中の上部層の荷重を強風などのために支え切れずに発生した可能性がある」と説明した。

 大韓民国産業現場教授団に所属する東新大学のチェ・ミョンギ教授(土木工学科)も「38階での作業中に外装がコンクリート打設の荷重などに耐え切れず崩壊したか、工期短縮のために冬場にコンクリートが固まらない状態で無理に工事を進めたため事故が起きた可能性がある」と話した。しかし現代産業開発は「工期より早く進んでいた状況なので、工期を無理に短縮する必要はなかった。201棟の打設は12日から18日に養生が行われ、必要な強度が確保されていた」と疑惑に反論した。

 結局、事故原因究明のカギは、施工社が区役所に提出した「冬期コンクリート構造物品質管理計画」どおりに工事が進められていたかどうかとなる見通しだ。また、柱の役割を果たす壁体が崩れたのは、上板と壁体がきちんと連結・固定されていなかったためである可能性があり、それに別の手抜き工事が重なって起きた可能性もある。光州警察庁の捜査本部はこの日、現代産業開発の現場事務所と一部の下請業者に対する家宅捜索令状の発給を受けた。

 現代産業開発のユ・ビョンギュ代表取締役はこの日午前、現場で記者会見を開き、「あり得ない事故が発生した。責任を痛感する」とし「捜査機関の調査と国土交通部などの事故原因究明にも誠実に臨む」と述べた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「ここのところ相次いでいる事故の根本的な原因を徹底的に調査するとともに、事前予防と再発防止に向けた安全対策強化などの後続措置に万全を期す」よう指示した。大統領府のパク・キョンミ報道官が明らかにした。

チョン・デハ、アン・グァノク、キム・ヨンヒ、シン・ダウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1027102.html韓国語原文入力:2022-01-12 20:27
訳D.K

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