韓国空軍の最新戦闘機であるF35Aが、飛行中に機体異常で非常着陸した。空軍はこの日午後0時51分頃、F35A 1機が訓練中に航空電子系統の異常でランディングギア(着陸装置)が下りなくなり、忠清南道瑞山(ソサン)の第20戦闘飛行団の滑走路に胴体着陸したと明らかにした。胴体着陸とは、着陸装置が故障した時に飛行機の機体を直接地面に当てて着陸する方式だ。
胴体着陸の際には、摩擦熱による火災の発生に備えて着陸前に航空燃料を最大限捨てる必要があり、機体をできる限り水平に維持してスピードを下げ滑走路に着地するようにしなければならない。操縦士の技量があってこそ可能だ。空軍の消防車が胴体着陸前に瑞山基地の滑走路に特殊なバブルを敷きつめ、胴体の底面と滑走路との摩擦を最小化した。このバブルと操縦士の実力のおかげで、機体の損傷もほとんどなく操縦士も無事だったと空軍は伝えた。
空軍は正確な事故原因を調査する予定であり、結果が出るまで同じ機種であるF35Aの飛行を中断する方針だと明らかにした。この戦闘機は、米国のロッキードマーティンが製造し、韓国国内には40機余りが導入された。1機当りの価格は1190億ウォン(約115億円)。最高速度はマッハ1.6で、戦闘行動半径は1093キロメートルなので、北朝鮮全域のみならず日本の東京や中国の東部圏まで作戦が可能だ。
F35Aは、レーダー電波による探知を避けるステルス機能を備えた5世代戦闘機だ。レーダーに捉えられにくいために、相手の防空網にかからずに浸透し、相手の中心施設と指揮施設を破壊できる。在来式の軍備競争で劣勢な北朝鮮は、韓国空軍のF35A導入に関して官営メディアを通じて敏感に反応してきた。北朝鮮は、F35Aの導入が故意的で重大な挑発だとし、南北合意の精神に反するものであり、朝鮮半島の平和と安定に対する威嚇だと主張している。