本文に移動

中国外相、岸田政権に警告…「台湾・歴史問題、一線越えてはならない」

登録:2021-10-27 06:18 修正:2021-10-27 07:37
中国の王毅外交担当国務委員兼外相が今月25日、第17回東京-北京フォーラムにビデオメッセージを寄せた=ビデオメッセージより//ハンギョレ新聞社

 中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長が日本に対し「歴史認識と台湾などは重大でデリケートな問題」としたうえで、「一線を越えたりルールを破ったりしてはならない」と警告した。

 王毅部長は25日、日中両国の政財界関係者と知識人が参加し両国の懸案を論議する第17回「東京-北京フォーラム」に寄せたビデオメッセージで、「(日本と中国が)相互協力のパートナーになり、相互にとって脅威にならないようにするという政治的共通認識を政策樹立に反映させ、具体的な行動で実行していくことを望んでいる」と述べた。さらに「まず、歴史認識や台湾などに関する問題はいずれも重大でデリケートだ。また両国関係の政治的基盤に関するものだ」としたうえで、「どんな状況でも中日の4つの政治文書の原則と精神は必ず守られるべきだ」と強調した。また「いかなる曖昧さも許されず、一線を越えたりルールを破ったりしてはならない」と付け加えた。人権問題に対しても「内政干渉の道具にしてはならない」と主張した。

 日本は現在、台湾に有事の事態が発生した場合は日本の安保も大きく脅かされるとして、これに対抗するため、様々な準備作業を進めている。自民党は31日に行われる衆議院選挙の公約に、これまで国内総生産(GDP)の1%台で維持してきた防衛予算を中長期的に2%に引き上げ、日本の外交・安保政策の基本方針である国家安全保障戦略や防衛計画大綱、中期防衛力整備計画を見直す内容を盛り込んだ。朝日新聞は26日付で、王毅部長の発言について「今月発足した岸田文雄政権を牽制した形」だと報じた。

 同日、王毅部長が言及した中日間の4つの政治文書とは、1972年の国交正常化の際に発表した中日共同声明、1978年に両国外相が署名した中日平和友好条約、1998年に両国が発表した「平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する中日共同宣言」、2008年に両国首脳が署名した「『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する中日共同声明」を指す。これらの文書には中国侵略など、過去の歴史に対する日本の反省と「一つの中国」原則などが盛り込まれている。王毅部長は22年に日中国交正常化50周年を迎えることを強調し、「初心を忘れず、次の50年に向けたビジョンを切り開いていくために、相互信頼に基づく政治的信頼関係を回復することが急がれる」と述べた。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1016657.html韓国語原文入力:2021-10-26 13:40
訳H.J

関連記事