チョン・ウィヨン外交部長官は19日、北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射実験への政府の対応が安易だとする野党議員の指摘に対し、「韓国政府が(試験発射に)成功したSLBMは、北朝鮮が発射したSLBMよりもはるかに機能が優れている」と反論した。
チョン長官は21日、国会外交統一委員会の外交部と統一部に対する総合国政監査で、国民の党のイ・テギュ議員の「北朝鮮のSLBM発射について、戦略的挑発と考えるか」との度重なる質問に対し「深刻にとらえているのは事実」としながらも即答は避けた。チョン長官は「北朝鮮の今回の発射実験を通じたSLBMの能力は、韓国軍の能力で防御できると判断した」とし「戦略的挑発についての明確な基準は、朝鮮半島の全般的な安保状況に非常に深刻な影響を及ぼしうるかどうかをもって判断するもの」と付け加えた。
イ・イニョン統一部長官は同日、北朝鮮のSLBM発射実験をめぐり「北朝鮮がなぜ核実験やICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射しないのか。それは、決定的破局は望まないからだと考えることができる」とし「もうひとつの側面では、対話を探っているように見える」と評価した。国民の力のテ・ヨンホ議員の「前日、統一部の高官が北朝鮮のSLBMについて、対話条件を探るためだと評価したのは適切か」という指摘に対する答えだった。北朝鮮のSLBMが実戦配備されれば「ゲームチェンジャー」になり得ると主張し、政府の判断と対応を批判する野党議員と、朝鮮半島情勢を安定的に管理するという側面から正当性を説明しようとする両長官が激しく対立した。
この日の監査では、朝鮮労働党中央委のキム・ヨジョン副部長をはじめ北朝鮮が繰り返し言及してきた韓国と米国の「二重基準(ダブルスタンダード)の撤回」についての政府側の立場に対する批判も繰り返された。これに対してチョン長官は「北朝鮮の軍事力示威は明らかに国連安保理決議に違反したものであり、国際法に違反したもの」であるが「我々が開発している兵器体系は国際法の枠内のもの」だとし、「北朝鮮のダブルスタンダード撤回要求は受け入れられない」と再確認した。ただし、南北軍事共同委では北朝鮮の主張について論議しうるとの立場も付け加えた。チョン長官はこの日、韓日関係については「日本との対話は一部進展がある」とし「最大限努力する」と述べた。