hankyoreh

//ハンギョレ新聞社

　サイパンに続きシンガポールや欧州など、新型コロナウイルス感染症により封じられていた海外旅行への扉が、相次いで開かれている。旅行会社が段階的な日常の回復（ウィズコロナ）の傾向に合わせ、海外旅行商品マーケティングを続々と再開するなか、予約者が集中している。サイパン旅行商品はすでに年末まで「完売」状態で、連休期間などのハイシーズンは超過予約（オーバーブッキング）の事態まで発生している。

　ハナツアーは11日、シンガポール旅行商品を発売した。シンガポール旅行と休養に集中しているのが特徴だ。「シンガポール5日：マリーナベイ・サンズ」は、シンガポールのランドマークに選ばれるマリーナベイ・サンズ・ホテルに留まり、リバーサファリ、ボタニックガーデン、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイを観光し、スカイライン・リュージュ・セントーサを楽しめるよう構成されている。214万9900ウォン（約20万4000円）から予約できる。家族旅行客のための「シンガポール5日：スナップ撮影」は、家族の趣向に合わせて、ラッフルズシティ・ショッピングセンター＋マッサージ、ユニバーサルスタジオ・シンガポール、シンガポール国立美術館＋フラトン・ベイ・ホテルでのアフタヌーンティー、セントーサのメガ・アドベンチャーパーク＋リュージュのうちの一つを選択でき、家族旅行の思い出を大切に保存できるよう、スナップ撮影の日程が含まれている。価格は159万9900ウォン（約15万2000円）から。

　ハナツアーは「コロナ禍前に比べると、近隣国への旅行日程はすべて省き、シンガポールのランドマークホテルでゆったりと自由時間を満喫できるのが特徴」だと説明した。同社は「11月15日に発効される韓国‐シンガポール・トラベルバブル（旅行安全圏域）施行指針が下れば、指定の航空便とホテルなどを反映した商品も追加で発表する予定」だと明らかにした。韓国‐シンガポール・トラベルバブル協約は、団体旅行客だけでなく個人旅行客も入国・帰国後の自己隔離が免除される。

//ハンギョレ新聞社

　ベリーグッドツアーは、欧州旅行マーケティングにも乗りだした。スイス・スペイン・フランス・ギリシャ・トルコのうちの1国を選び、9～10日間旅行する「1国1周」商品とチェコ・オーストリア2カ国を9日間で見てまわる商品などを出した。同社の欧州旅行商品の販売は、新型コロナの大流行以来、1年10カ月ぶりだ。出発日に応じ、トルコ1周商品は99万ウォン（約9万4000円）、スペインは159万ウォン（約15万1000円）、チェコ・オーストリアは149万ウォン（約14万1000円）、ギリシャとフランスは200万ウォン（約19万円）、スイスは339万ウォン（約32万円）から予約できる。ベリーグッドツアーは「コロナ禍以前の商品に比べ、安いか同程度の水準」だと説明した。

　ベリーグッドツアーは「すべてのツアーが、韓国内で新型コロナワクチン接種を2回目まで完了して出国すれば帰国後の2週間の自己隔離が免除される国々だ。出国72時間以内に発行されたPCR検査結果だけあればよい。5～7日にSNS会員33万人を対象に予約申込を受けつけたところ、851人（14億4000万ウォン、約1億3600万円相当）が申し込んだ。すでに10～11月のうち25件の出発日が最少催行人数超となり、出発が確定した状態」だと説明した。

　トラベルバブル協約により最初に海外旅行への扉を開いたサイパン旅行は、すでにコロナ禍以前の状況を回復した状態だ。業界によると、年末までサイパンへの団体旅行の予約者が4000人を超え、ハイシーズンの商品は航空便不足と超過予約の事態まで発生している。サイパン政府の支援により、7泊8日の商品が40万ウォン（約3万8000円）台から予約可能で、ゴルフ3回が含まれた商品の価格も70万ウォン（約6万6000円）台にとどまるなど安いうえ、一流ホテル（ケンシントンホテル）で1日3食のホテルでの食事を楽しみ休めるようにしたのが人気の秘訣だ。

　ハナツアーのチョ・イルサン首席は本紙の電話取材で「はじめのうちは予約が遅々として進まなかったが、行ってきた人たちがうわさを広げていくにつれて予約が集中した。すでに年末まで予約が埋まっている」と述べ、「サイパン旅行に申し込めずグアム旅行に申し込むという風船効果が発生している」と語った。別の旅行会社の役員は「旅行会社の職員が家族用にサイパン旅行商品を申し込んだ事例も多いと聞いている」と伝えた。