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日本政界の「風雲児」石破元幹事長、出馬見送り検討…「政策の実現が重要」

登録:2021-09-08 05:46 修正:2021-09-08 07:17
石破茂自民党元幹事長/聯合ニュース

 「出馬ありきではなく、自分が重視する政策をどのように実現するかが大事だ。出馬しない場合は河野氏を支えてもいい」

 日本政界の「風雲児」である石破茂元幹事長(64)は6日夜、BSの番組に出演し、今回の自民党総裁選挙で出馬を見送る可能性を示した。党内勢力が弱い状況で無理に出馬を強行する代わりに、有力候補の河野太郎(58)行政改革担当相を支持し、「政策連合」を作る方向へと進む道を開いたのだ。 読売新聞も7日付で、「石破氏は水面下で河野氏と(支持するかどうかをめぐって)調整を続けている」と報じた。

 2008年以降、4回も自民党総裁の座に挑んできた石破氏が、長い間抱いてきた志を曲げるような姿を見せる最大の理由は「当選の可能性」のためだ。石破氏は世論調査では次期首相に適した人物で上位を占めてきたが、党内勢力(石破派17人)が絶対的に弱い方だ。自民党総裁選挙はまず、国会議員と地方党員・党友が半分ずつ(それぞれ383票ずつ)投票権を持つ。石破氏は地方党員の支持は高い方だが、1回目の投票で過半数に届かなかった場合、上位2人で行われる決選投票(国会議員383票と各都道府県別に1票ずつ47票)では絶大な影響力のある国会議員票を獲得できず、いつも苦杯をなめてきた。特に昨年の選挙で菅義偉首相に惨敗し、大きな政治的打撃を受けた。

 このような状況で大衆人気の高い河野氏が出馬の意向を固めたことで、石破氏は頭を抱えている。河野氏は最近の世論調査で、石破を抜いて1位に躍り出た。このため「党の改革を進めるには、河野氏を支持するのも選択肢の一つ」という声が派閥幹部からも上がっている。石破氏もBSの番組で「勝てるという見通しはない。総裁選に出ることで終われば何も実現しない」と複雑な心境を語った。

 石破氏は2012年末から昨年8月まで7年8カ月間続いた「安倍長期政権」時代、党内で批判的な声をあげてきた事実上唯一の反対派だった。 安倍晋三前首相の経済政策「アベノミクス」について、大企業だけに恩恵が与えられたと批判し、中小企業や女性、地方などに投資する必要があると指摘した。森友学園問題など、安倍氏と関連したスキャンダルに対しても再調査が必要だと主張した。石破氏は最近「嘘のない、ごまかしのない、国民に誠実に向き合う、説明責任を果たす政府をつくりたい」とし、「やってくれる人がいれば協力する」と述べた。

 石破氏が支持を表明した河野氏も、党の方針に反して「脱原発」や日本の保守層が反対する「母系天皇」を検討しようと主張するなど、改革的な声をあげてきた。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて若い世代と積極的に疎通し、新型コロナウイルスワクチンの予約が殺到して現場に混乱が起きたことについて、「僕の失敗」だと過ちを認めた。だが、所属派閥の代表である麻生太郎副総理兼財務相が快く支持する意向を明らかにせず、気をもんでいる。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1010798.html韓国語原文入力:2021-09-0802:39
訳H.J

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