文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「任期が終わる最後の瞬間まで、危機を克服する政府としての役割を果たさなければならない運命」と語り、国務会議で604兆4000億ウォン(約57兆3000億円)規模の新年予算案を審議・議決した。文大統領は31日午前、大統領府で開かれたオンライン国務会議の冒頭発言で「現政権の最後の予算となり、今の時期に政府が果たすべき役割と財政投資の方向性をはっきり盛り込んだ」とし、このように述べた。
文大統領は、来年の政府予算案の用途や目的などを説明しつつ、拡張的な財政の必要性を力説した。まず「我々は昨年と今年、拡張的な財政政策の効果を実感した。韓国だけでなく全世界が危機に対処する共通した方式だった」と説明した後、「今年、韓国経済が4%以上の高い成長率を見込めるようになったのも、すべて拡張的な財政運用のおかげだと言える」と述べた。
続けて「自営業者と脆弱階層を保護する支えとしての役割」と「経済回復と税収増大、財政健全性の改善へとつながる好循環効果」などのためにも、政府が使う資金の規模を増やさなければならないと強調した。さらに文大統領は、新型コロナウイルスの完全克服に向け「十分なワクチン量の先制的な確保、病床や医療スタッフの拡充などの医療インフラ改善努力とともに、国産ワクチンの開発とグローバル・ワクチンハブのための支援も拡大する」と述べた。
文大統領は「幸いにも我々に拡張的な財政政策を展開するだけの財政余力があったからこそ、我々はその力で危機に対応することができた」とし「各省庁は政府予算案が国会で可決されるよう、国会とさらに積極的にコミュニケーションをとり、協力していくことに最善を尽くしてほしい」と述べて発言を結んだ。